採用塾が導いた、採用数の増加と成長する組織への転換


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1970年に創業し、スズキやルノーの正規ディーラーを運営するほか、自動車整備事業や保険代理店業なども展開し、地域に密着したトータルカーライフサポートを提供するスズキフロンテ福山販売株式会社。スズキの軽四輪車部門で全国最優秀賞を複数回受賞するなど数々の実績を誇る同社は、若手人材の不足や採用活動の停滞といった課題を解決するため、株式会社KIMETEの採用塾を導入されました。今回は導入の背景から具体的な成果について、常務取締役の佐々木氏にお話を伺いました。

導入前の課題 受け身の採用活動が続き、採用環境の変化に対応できず人材確保が困難に。若手・中堅層が減少し、組織の年齢構成が偏るなど、将来を見据えた人材育成と採用体制の見直しが急務となっていた。
導入の決め手 武蔵野との長年の取引による信頼関係と考え方への共感に加え、若手が活躍する実績から採用力の高さを実感。採用ノウハウだけでなく、組織改善につながる点にも魅力を感じ導入を決定。
導入の成果 母集団の拡大と訴求力向上により採用数が増加。さらに採用プロセスの数値化が進み、データに基づく改善が可能に。組織の働き方や制度の見直しも進み、採用をきっかけに組織全体の変革が実現した。

受け身の採用からの脱却。人材不足と組織の高齢化が採用塾導入の契機に

――採用塾を導入いただく前、どのような課題を抱えていらっしゃったのでしょうか。

佐々木氏:当社はこれまでも新卒採用は行っていましたが、かつては求人を出せば人が集まる時代で、来るもの拒まずという受け身の姿勢でも採用が成立していました。そのため、採用活動を積極的に行わなくても人材を確保できており、危機感を持たずにいたのが実情です。しかし、少子化や採用環境の変化により、次第に人材確保が難しくなっていきました。

――現在の社員の平均年齢は35歳とのことですが、導入前は社内の年齢層にも偏りがあったのでしょうか。

佐々木氏:その通りで、当社はこうした変化に十分対応できておらず、気がつけば若手や中堅層が減少し、40〜50代が中心となる年齢構成へと偏っていました。結果として既存社員に依存する組織になっていたんです。このままでは将来にわたって組織を維持・成長させることが難しいと感じ、次世代を担う人材を計画的に採用・育成していく必要性を強く認識しました。そこで、新卒採用を本格的に強化し、採用のあり方そのものを見直すため、採用塾の導入を決めました。

採用担当者のマインド改革と仕組みづくりで、成果につながる採用へ

――採用塾を選ばれた理由は何が決め手だったのでしょうか。

佐々木氏:KIMETE(当時:武蔵野)さんとは20年近くお付き合いがあり、もともと考え方に共感していたことが大きな理由です。新卒採用のコンサルティングに力を入れていることは知っていましたし、実際にKIMETEさんの若い社員の方々が活き活きと働いている姿を見て、「採用がうまくいっている会社だ」と以前から感じていました。そうした実績をもとにした取り組みであれば、自社にも応用できるのではないかと考えたんです。

――採用塾のカリキュラムはどのような流れで進んだのでしょうか。

佐々木氏:まず、採用担当者のマインドセットを見直す研修がありました。「なぜ自分が採用を担うのか」「会社からどのような期待をされているのか」といった役割を明確にすることで担当者の捉え方が大きく変わりました。当社では採用担当が他業務と兼任のため、当初は「採用担当=負担が増える」とネガティブに捉える社員もいましたが、会社から信頼され、重要な役割を任されているという意識づけがなされたことで、前向きに取り組む姿勢へと変化していきました。また、採用担当は新卒1〜2年目の若手社員が中心で、普段は社長など経営層と直接関わる機会が多くありません。採用塾の場を通じて社長から直接学べたことも会社への理解や愛着を深める大きなきっかけになったと感じています。

――他にはどのような学びがありましたか。

佐々木氏:採用スケジュールの見直しをはじめ、「何名採用するのに、どれだけの母集団が必要か」といった具体的な数値設定に基づく採用計画の策定、さらには合同説明会の運営方法まで、業務の細部にわたってご指導いただきました。

――それまで漠然としていた採用フローを体系化するヒントになったのですね。

佐々木氏:まさにその通りです。それまで都度対応していた採用活動が、年間スケジュールとして整理されたことで、計画的かつスムーズに進められるようになりました。加えて、面接や説明会での伝え方も見直され、応募者への訴求力が高まったと実感しています。結果として、採用の改善が組織全体の変化にもつながっていきました。

採用戦略をきっかけに、働き方と会社組織をアップデート

――先ほど「採用の改善が組織全体の変化にもつながった」とのお話がありましたが、具体的にはどのような点が変わったのでしょうか。

佐々木氏:採用活動を見直す中で、給与や年間休日、残業時間といった働き方や待遇面そのものに課題があることに気づきました。そこで、それらを一つひとつ見直し、社員がより働きやすい環境へと改善していったのです。採用塾は単にノウハウを学ぶ場ではなく、KIMETEさんの社員の方や他の参加企業との交流を通じて、自社の現状を客観的に捉え直せる場でもあります。例えば、休日数や残業管理の実態について直接話を聞くことで、自社との違いが明確になり、改善の方向性が具体化していきました。

――成功している企業のスタイルを参考にしたということですね。そのコミュニケーションはどのように取られていたのですか。

佐々木氏:毎回の研修後に設けられる懇親会が大きな役割を果たしていました。そこにはKIMETEさんの社員の方々に加え、他社の経営者や採用担当者も参加されており、採用をテーマにした情報交換が活発に行われます。同じ課題意識を持つ方々が集まっているため、気になることをその場で確認できるのは非常に有益でしたし、実践に直結する具体的な情報を得られた点も大きな収穫でした。

――給与や年間休日の改善というのは、組織の根本に関わる大きな決断だったのではないですか。

佐々木氏:確かに大きな決断でしたが、「いずれ必要になる改革であれば、採用塾のタイミングで一気に進めよう」という判断でした。当社の社長は慎重に検討するタイプなのですが、採用塾という場があったことで、「次の採用に間に合わせるために今ここで決めましょう」といったスピード感で意思決定を進めることができました。結果として、採用塾は実務面の支援にとどまらず、経営の意思決定を後押しする場としても大きな価値があったと感じています。

採用塾導入により、母集団の拡大と学生への訴求力向上を達成

――実際に採用塾を導入して以降、どのような成果が出ていますか。

佐々木氏:最も大きな変化は母集団の増加です。導入前から合同説明会には参加していましたが、当時は来場者がほとんど集まらない状況でした。以前はブースで待つだけの受け身の姿勢だったのですが、採用塾での指導を受けてからは学生に積極的に声をかけ、ブースに誘導するスタイルへと転換しました。「まずは座ってもらう」ことを重視したアプローチです。そのように変えたことで学生たちとの接点が増え、認知が大きく向上しました。現在では合同説明会で100名以上がブースに着座し、そのうち約50名が自社説明会に参加するなど、応募者母集団の質・量ともに大きく改善しています。

――会社の魅力の打ち出し方も変えたと伺っています。

佐々木氏:当社は自動車販売の会社ですが、今の時代は「車が好きだから」という理由で入社する学生はほとんどいません。それにも関わらず、以前は事業内容の説明が中心で、「なぜこの会社を選ぶべきなのか」といった視点が不足していました。しかし、採用塾で自社の強みを見つめ直したことで、当社の価値は“人”や“コミュニケーション”にあると気づきました。そこで打ち出し方を見直し、「何をする会社か」だけでなく、「誰と一緒に働く会社か」「どういう環境で働けるのか」を伝えるようにしました。すると、「この会社は雰囲気が良さそう」「この人たちと一緒に働きたい」といった反応が増え、学生の志望度にも変化が表れています。

――その結果、貴社が求める人材とも出会いやすくなったのですね。

佐々木氏:まさにそうですね。導入前は年間で1名採用できるかどうかという状況でしたが、今年は5名の採用に至りました。まだ大幅に増えたわけではありませんが、そもそも選考に進む母数自体が少なかったことを考えると大きな前進です。さらに、各選考プロセスの数値を把握できるようになったことも重要な変化です。どの段階でどれだけの人数が選考に進むのかが可視化されたことで、「目標人数を採用するために必要な母集団はどの程度か」といった設計が可能になりました。採用を感覚ではなく、データに基づいて改善できるようになった点は大きな成果だと感じています。

採用塾は採用成功率を高めるだけでなく、組織変革も実現する

――同じような課題を抱える企業に採用塾をご推薦いただくとしたら、どの点を挙げられますか。

佐々木氏:採用塾に参加すれば採用の改善につながる手応えを感じています。ただ、それ以上に大きな価値は採用をきっかけに会社そのものが変わるという点です。自分たちだけでは気づきにくい課題も外部の視点が入ることで明確になり、改善へとつなげることができます。また、採用塾ではディスカッションやワークが豊富に用意されているため、普段は個別に検討している採用の意思決定をこの場で集中的に議論し、短期間で方向性を固められる点も大きな魅力です。スピード感を持って取り組みたい企業にとっては、非常に有効だと思います。

採用を軸にした意識改革で、成長し続ける組織へ

――採用塾を経て、採用担当者や社内の変化を感じる点はありますか。

佐々木氏:導入前は新卒採用に対する社内の温度感が決して高いとは言えず、新入社員の受け入れを負担に感じる声や、説明会などで現場を離れることへの抵抗感もありました。しかし現在は、社長をはじめ会社全体で採用に取り組む姿勢が共有され、会社として本気で人材を迎え、育てていくという意識が浸透しています。採用担当者自身も「一緒に働きたい人を迎える」という当事者意識を持って取り組んだことで、入社後の育成にも主体的に関わるようになり、大きく成長したと感じています。

――採用塾が多方面で効果を発揮しているのですね。

佐々木氏:今では年に一度の採用塾の研修が、当社にとって採用活動のリズムをつくる重要な機会になっています。導入から4年経ち、ノウハウは一定程度蓄積されていますが、採用環境や学生の志向は毎年変化します。その変化を捉えて採用戦略を見直す場として大きな価値があると感じています。定期的に採用を振り返り、改善し続けるための場として今後も継続して活用していきたいと考えています。