「採用通知を出したい」「採用通知書や採用通知メールのテンプレートや雛型がほしい」方に向けて、採用通知書の書き方とテンプレートを紹介します。

書面だけでなく、メールや電話用の例文やテンプレートなども解説します。採用通知書と内定通知書の違いや採用通知書送付時の注意点など、採用通知書の作成に必要な情報が網羅されているため、ぜひ最後まで目を通してみてください。

採用通知書のテンプレート・雛形

採用通知書のテンプレート・雛形は下記をご活用ください。

◯◯◯◯年◯◯月◯◯日

 (応募者氏名) 様

株式会社◯◯◯◯
代表取締役 ◯◯◯◯

採用通知書

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

先日は弊社の社員募集にご応募いただき誠にありがとうございました。
慎重に検討をさせていただきました結果、「貴殿の採用が決定」いたしましたので、ここにお知らせいたします。

入社日は◯◯◯◯年◯◯月◯◯日を予定しています。
つきましては同封いたしました下記書類をご確認いただき、期限内にご返送くださいますようお願いいたします。

敬具

同封書類
・送付状  1通
・入社承諾書(要提出)  1通
・返送用封筒  1枚

提出期限
提出書類:入社承諾書
提出期限:◯◯◯◯年◯◯月◯◯日

内定取り消し事由
次のいずれかの事由に該当する場合には、採用の内定を取り消す場合があります。あらかじめご了承ください。
・内定承諾書を期日までに提出しないとき
・履歴書その他採用時までの申告事項が事実と相違するとき
・入社日までに在籍学校を卒業できないと判明したとき
・病気や怪我により入社日以降の出勤ができないと判明したとき
・犯罪その他社会的に不相当な行為を行い従業員として不適格と会社が判断したとき
・会社の名誉、信用および社会的評価を失う反社会的行為が認められたとき
・会社の経営上やむをえない必要性があるとき
・その他前各号に準ずるやむを得ない事由があるとき

以上

【本件に関する問い合わせ先】
人事部採用担当:◯◯ ◯◯
TEL:00-0000-0000
メールアドレス:◯◯◯@◯◯◯◯.◯◯

 

採用通知書に記載が必要な項目

採用通知書は、法的な送付義務がないため、特に決められた記載項目や様式といったものはありません。ただし、求職者に採用決定を通知し入社の意思を確認するためには、下記の項目について記載し伝える必要があるといえるでしょう。

  • 応募者の氏名
  • 日付
  • 社名・代表者名
  • 応募のお礼と採用決定通知
  • 入社日
  • 同封書類
  • 提出書類の内容・期限
  • 内定取り消し事由
  • 担当者名・連絡先

以下で詳しく解説します。

応募者の氏名

採用通知書の左上に、宛名として応募者の氏名を明記します。本人に確実に通知するためにも、必ず記載するようにしましょう。敬称には「様」か「殿」を使用します。

例)山田 太郎 様

日付

採用通知書の発行日の日付を書面の右上に記載します。採用通知書を確認後、返送してもらう「内定承諾書」の提出期限設定にも関係するため、書面を発行した日については明確に記載しておきましょう。

例)2023年10月1日

社名・代表者名

採用通知書に差出人として社名と代表者名を記載しましょう。社名は略称でなく正式名称を使います。また、代表者の氏名を記載した部分に社印を押印します。

例)株式会社転職支援
  代表取締役 転職 太郎 (印)

応募のお礼と採用決定通知

採用通知書の本文に、採用試験に応募してくれたことへのお礼と、採用が決定したことを記載しましょう。単に採用決定を通知するだけでなく、応募や面接を受けてくれたことへの謝意を伝えることで、印象が良くなります。

例)弊社の求人募集へのご応募に際しましては、何度もご来社いただきまして誠にありがとうございました。
最終選考の結果、貴殿の採用が決定いたしましたのでご通知申し上げます。

入社日

いつから入社となるのか、入社予定の年月日を記載します。入社年の表記は西暦でも和暦でもかまいません。なお、新卒採用の場合は、入社日が4月1日と決まっているためyyyy年4月1日などと記載します。

中途採用の場合は、面接などでのやり取りで入社日が確定していればその入社日を記載します。入社日が決まっていない場合は、別途連絡する旨を書きましょう。

例)2024年4月1日

同封書類

採用通知書を送付する際には、通常、応募者の入社の意思を確認するための「入社承諾書(内定承諾書)」と「返信用封筒」を同封します。これは、採用通知書を送付する段階では、まだ求職者と企業との間で入社の意思の合意が取れていないためです。

採用通知書を送る際にはこれらの書類を同封し、採用通知書の書面上に、同封した書類について明記します。なお、入社承諾書のほか、入社誓約書を同封する場合もあります。

例)
・送付状  1通
・入社承諾書(要提出)  1通
・返送用封筒  1枚

提出書類の内容・期限

同封書類に提出・返送が必要な書類がある場合には、提出書類の内容と提出期限を具体的に書きます。採用通知書の発行日と求職者の手元に書類が届くタイミングとを考慮し、余裕のある提出期限を設定するようにしましょう。入社承諾書の提出期限の目安は1週間から1ヶ月以内が一般的で、2週間以内とする企業が多いようです。

例)提出書類:入社承諾書、入社誓約書
  提出期限:2023年10月14日

内定取り消し事由

採用通知書には内定取り消し事由も記載しておきましょう。内定取り消し事由の記載がないと、該当する事由が発生しても内定取り消しが認められない可能性があります。必ず明記するようにしましょう。

例)下記のいずれかの事由に該当する場合には、採用の内定を取り消す場合があります。あらかじめご了承ください。

  • 履歴書その他採用時までの申告事項が事実と異なるとき
  • 入社日までに在籍学校を卒業できないと判明したとき
  • 会社の経営上やむをえない必要性があるとき
  • その他前各号に準ずるやむを得ない事由があるとき

担当者名・連絡先

採用通知書の内容に不明点や疑問点があった場合の問い合わせ先として、担当者名と担当者の電話番号、メールアドレスを記載します。

例)<本件に関する問い合わせ先>
人事部:転職 花子
TEL:000-0000-0000
メールアドレス:hanako~@~.co.jp

 

採用通知書と内定通知書の違い

「採用通知書」のほかに、「内定通知書」という書類があります。両者とも発行の義務はないものの、発行のタイミングや法的拘束力に少し違いがあります。

採用通知書は、一般的に最終選考後の企業の採用意思を伝えるもので、応募者の入社の意思が確認できていない状態で発行されるものです。

一方の内定通知書は、先に採用通知をし、それに対する応募者からの入社の意思確認を受けて、内定を出し通知する書類とされています。内定通知書は、採用通知書と異なり、企業と応募者とで入社について合意しているため法的拘束力があるとされます。

ただし、採用通知も内定通知も法的な発行義務がないため、企業によって書類の運用や扱いが異なることも少なくありません。

内定通知書と採用通知書を同義と捉えて片方だけを利用するケースや、内定通知書と採用通知書とを一通にまとめて送るケースなどさまざまです。このため、実際の運用上はあまり大きな違いはないといえるでしょう。

 

採用通知書のメール例文・テンプレート

メールで採用通知をする場合の例文・テンプレートを紹介します。

メールで採用通知する場合は、メール本文とは別に必要に応じて「採用通知書」「入社承諾書」などをメール添付するか、返送用封筒とともに郵送で送付するようにしましょう。下記はメールで採用通知をする場合のフォーマットの一例です。

【採用通知書のメール例文・テンプレート】

件名:株式会社〇〇〇〇 選考結果のご連絡

〇〇〇〇様

株式会社〇〇〇〇の採用担当の〇〇です。

先日は弊社の採用面接にお越しいただき、誠にありがとうございました。

慎重かつ厳正なる審査の結果、〇〇〇〇様の採用を決定しましたことをご連絡いたします。
つきましては、入社に際して提出していただく書類を本日郵送いたしました。

書面をご確認いただき、署名捺印のうえ同封の返信用封筒にて期日までにご返送くださいますようお願い申し上げます。

なお、期限内にご連絡がない場合は、辞退のご意向として承りますことをご了承ください。

■郵送した書類
・採用通知書
・入社承諾書
・入社誓約書

■提出期日
令和○年○○月○○日

ご不明な点等がございましたら、下記までお気軽にお問い合わせください。
〇〇〇〇様のご入社を心よりお待ちしております。今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

株式会社〇〇〇〇
人事部 〇〇〇〇
TEL:XXX-XXXX-XXXX
メールアドレス:XXXX@XXXXX.co.jp

 

採用通知の電話例文・テンプレート

電話で採用通知をする場合の例文・テンプレートを紹介します。

電話で採用通知する場合は、相手が今話をできる状態かどうか確認したうえで、聞き取りやすい声ではっきり、ゆっくりと話すようにしましょう。

下記は電話で採用通知をする場合のトークの一例です。

採用担当者:株式会社〇〇〇〇の採用担当の△△です。先日の面接の選考結果について連絡いたしました。ただいまお時間を10分ほどよろしいでしょうか?

応募者:はい。

採用担当者:この度は、弊社の採用面接を受けていただきまして誠にありがとうございました。社内で審査しました結果、□□様の採用が決定いたしました。

応募者:ありがとうございます。

採用担当者:つきましては入社の手続きのご案内をしたいのですが、一度弊社へご来社いただけないでしょうか。例えば、来週か再来週でご都合の良い日はありますでしょうか?

(日程調整を行う)

採用担当者:では、〇月〇日〇曜日の〇時にお待ちしております。弊社〇階の受付までお越しください。当日は筆記用具と印鑑をお持ちください。それでは当日はどうぞよろしくお願いいたします。

※応募者が内定保留を申し出た場合

採用担当者:かしこまりました。それでは、〇月〇日までに入社していただけるかどうかをお電話またはメールで私までご連絡いただけますでしょうか?ご不明点などありましたらお気軽にお問い合わせください。社員一同、ぜひ□□様と働きたいと願っております。ご連絡をお待ちしております。

 

採用通知は郵送・メール・電話の使い分けがおすすめ

採用通知は、郵送・メール・電話を使い分けることがおすすめです。

採用が決まったら、まずは電話で報告すると、今後の流れの確認や日程調整などが比較的手早く行えます。また、電話での応募者の反応から内定承諾や内定辞退の感触を得ることもできます。

さらに、必要に応じて、採用通知書や入社承諾書などの書類をメールや郵送でやり取りするとよいでしょう。

書面でしっかりと確認した方がいいものについてはメールや郵送を使い、手早く調整したいことがある場合には電話を使うなど、臨機応変に使い分けましょう。

 

採用通知書送付時の注意点

採用通知書を送付する際には注意点もあります。詳しくは次の通りです。

  • 採用通知書は法的効力をもつ
  • 関連書類との違いを理解しておく
  • 誤字脱字や送付ミスに厳重注意する
  • なるべく早めに送る

採用通知書は法的効力をもつ

採用通知書は、求職者の入社承諾前に送られるものであるため、法的効力はないという見方がある一方で、法的効力を持つという見方もあります。

法的効力を持つとする見方では、求職者が求人に応募した行為を労働契約の申込みと考え、企業が「採用通知書」を交付することを契約の承諾にあたると見なします。

このように、採用通知書の交付で企業と求職者の間に労働契約が成立すると考える場合には、法的効力が発生することになります。

この考え方に基づくと、正当な理由がない限り企業による取り消しは難しくなります。求職者側にも法的効力が発生するものの、民法で労働者側からの労働契約の解除が保障されているため、求職者は内定辞退をすることができます。

関連書類との違いを理解しておく

内定通知書以外にも「雇用契約書」「労働条件通知書」「採用証明書」といった採用通知書に似た書類があります。

それぞれの内容は下記の通りです。採用通知書との違いを把握しておくようにしましょう。

雇用契約書

企業と従業員との間で成立した労働契約の内容を明らかにする契約書です。法的に作成は義務付けられてないものの、トラブル防止のために作成されるのが一般的です。

労働条件通知書

企業が従業員と労働契約を結ぶ際に交付することが法的に義務付けられている通知書です。賃金や労働時間、休暇などの労働条件が記載されます。通常は内定通知と同時に労働条件通知書を交付します。

採用証明書

失業していた求職者が再就職したことを示す証明書です。失業手当の受給を止めるために必要で、就職が決まった段階で求職者が就職先の企業に依頼し作成してもらうものです。

誤字脱字や送付ミスに厳重注意する

採用通知書を作成する際には、誤字脱字に注意しましょう。名前や日付などの記載に誤りがあると、進行に支障が出ることもあります。

また、送付ミスをすると個人情報の流出に繋がりかねないため、送付先住所・名前のチェックは入念に行いましょう。

なるべく早めに送る

採用通知書は、最終面接終了後なるべく早めに送るようにしましょう。

応募者の中には、最終面接を終えた後も就職活動を続けているケースも少なくありません。他の企業での内定が先に決まってしまうことのないよう、採用が決定した場合には早めに通知することが大切です。

優秀な人材を確実に確保するためにも、遅くとも1週間以内をめどに採用通知をすることがおすすめです。

 

採用通知書に関するよくある質問

採用通知書に関するよくある質問3点について解説します。

  • 採用通知書を送る必要性はありますか?
  • 採用通知書に定められた形式はありますか?
  • 不採用者にも通知が必要ですか?

採用通知書を送る必要性はありますか?

採用通知書は、法律上交付の義務はないものの、送った方がよいといえるでしょう。

なぜなら、採用の決定を口頭での報告だけですませてしまうと、会社の採用の意思が十分に伝わらず、内定辞退を招くなどのトラブルを引き起こすことがあるためです。

企業側の採用の意思を応募者に確実に伝え、入社の意思を高めてもらうためにも、採用通知書を送付することがおすすめです。

採用通知書に定められた形式はありますか?

採用通知書は法的に交付が義務付けられた書類ではないため、定められた形式はありません。

決まった形式はないものの、応募者が入社を前向きに検討できるように、企業側の採用の意思と採用面接を受けてくれたことの謝意、入社日などをはっきりと伝えるようにしましょう。

不採用者にも通知が必要ですか?

できれば不採用者にも不採用を通知することが望ましいといえます。

不採用通知は、受け取る側だけでなく、通知する側にとっても心理的な負担のある業務です。しかし、不採用通知をしないと求職者もなかなか次の就職・転職活動に気持ちを切り替えることができません。また、不採用通知をしないことは「サイレントお祈り」といわれ、就活生への配慮を欠いた行為として批判される傾向にあります。

自社に良い印象をもってもらうためにも、メールだけでも不採用の通知をすることをおすすめします。

 

採用通知書の雛形・テンプレートを使ってミスなく送付しよう

採用通知書の雛形・テンプレートや書き方について紹介しました。採用通知書には決まった書式はありませんが、上記で紹介したテンプレートに必要な項目が含まれているためぜひ活用してみてください。

採用通知書を送付しても、辞退が多かったり定着率が良くなかったりして人材に悩んでいる企業様には、kimeteのマルコポーロのご利用がおすすめです。

kimeteのマルコポーロは、心理統計学と科学的分析手法に基づいて作られており、受験者の深層心理(ヒューマンコア)を30項目でわかりやすく可視化することができます。さらに自社基準に設定ができるため、自社の求める人材像を明確にすることでより自社に合った人材かを見極めることができます。

さらなる詳細・無料トライアルへのお申し込みは以下のページからご確認ください。