採用活動の質を高め、業務の効率化も実現できる採用ツール。ITの発展や社会情勢の変化にともない、さまざまなツールが活用されるようになりました。
母集団形成や過剰な業務量に課題を抱えつつも、どのようなツールがあるのか、どのツールを選べば課題解決につながるのかがわからない担当者も多いのではないでしょうか。
本記事では、おすすめの7つの採用ツールを紹介しつつ、採用ツールの選び方や導入するメリットなどを解説します。採用ツールについて詳しく知りたい方、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
採用ツールとは?
採用ツールとは、企業が行う採用活動において、採用活動の効率化や省力化、マッチ度の向上などを目的として活用される、各種サービスやシステムなどの総称です。
従来は求人サイトとパンフレットなどの紙媒体が主流でしたが、オンラインツールの普及や企業内のDX化にともない、採用ツールも多様化・高度化が進んでいます。
具体的には、ダイレクトリクルーティング・スカウトサービス・採用オウンドメディア、SNS・ATS(採用管理システム)などが挙げられます。
おすすめの採用ツール比較|無料で使えるツールも
近年トレンドにもなっている、おすすめの採用ツールは以下の7つです。
- ダイレクトリクルーティング・スカウト
- 採用オウンドメディア・求人ブログ
- SNS
- 採用動画
- ATS(採用管理システム)
- Web面接ツール
- LINE
それぞれの概要やメリットを解説しつつ比較してみましょう。
1. ダイレクトリクルーティング・スカウト
ダイレクトリクルーティング・スカウトツールとは、あらかじめ用意されている求職者のデータベースから、自社が求める条件を満たした人材を抽出して直接アプローチできるサービスです。
求人広告は「広告を掲載して応募を待つ」という構造上、どうしても応募者数は企業の知名度やかけた広告費などに比例する傾向にありました。
一方、ダイレクトリクルーティングやスカウトサービスは、企業側から求職者に直接アプローチする手法のため、知名度に左右されることなく求める人材にリーチできるメリットがあります。
2. 採用オウンドメディア・求人ブログ
採用オウンドメディア・ブログとは、求職者に情報発信する目的で企業が運営するWebメディアです。
発信できる情報量が多く、自社の価値観・カルチャー・ミッション・職場の雰囲気などを発信できるうえ、記事としてログを残せるのがメリットです。
求職者からの認知度を高めたり、ブランディングによる企業イメージの醸成を実現し、企業理解が深まることで、採用後のミスマッチの低下にもつながります。
一般的なブログサービスや自社専用Webサイトのほか、無料で利用できる「note」、SEOに強くGoogle検索での上位表示が狙える「Wantedly」なども人気です。
3. SNS
採用活動にSNSを活用する企業も増えています。
採用オウンドメディアや求人ブログは「豊富な情報量」と「情報の蓄積」が特徴であるのに対し、SNSは「情報発信のスピード」と「拡散力」に優れています。
ビジネスアカウントを利用することでユーザーのさまざまなデータを取得できるほか、登録情報や行動データにもとづいた細かなターゲット設定も可能です。
おすすめのSNSとして、X(旧Twitter)・Instagram・Facebook・YOUTRUSTなどが挙げられます。
4. 採用動画
採用動画とは、仕事の様子や職場の雰囲気などの企業情報をまとめた動画のことです。
テキスト・画像では伝わりにくい社風や雰囲気などを発信できるほか、一度制作した動画はさまざまな場面で繰り返し使える汎用性の高さがメリットです。
たとえば、採用動画を使った「オンライン企業説明会」を行えば、対面形式よりも少ない労力・コストで効率よく実施できるでしょう。
5. ATS(採用管理システム)
ATSとは、「Applicant Tracking System」の略称であり、採用業務の効率化を実現する採用管理システムを指します。
システムによって機能は若干異なりますが、ATSを使うことで以下のような業務を1つのシステム上で処理・管理できるようになります。
- 求人情報の作成
- 各面接の結果・評価
- 求職者への選考結果の通知
- 内定者フォロー
このような業務を一元管理することで、関係者間での情報共有が容易になり、業務の効率化やコストの削減などが期待できます。複数人で1つのシステムを共有できるため、ミスや作業の重複も防止できるでしょう。
6. Web面接ツール
オンライン会議システムが急速に普及したことで、Web面接ツールを活用したオンライン面接を行う企業が増加しました。
従来の対面型の面接に比べ、Web面接ツールには以下のようなメリットがあります。
- 遠方の求職者も気軽に選考に参加できる
- 面接会場を用意する必要がない
- 面接前後の求職者の案内・対応が不要
- 面接参加者に支給していた交通費が不要になる
数あるWeb面接ツールのなかでも、特に人気なのがZoomやGoogle meetです。多くのツールが無料で利用できますが、利便性や操作性を重視する場合は有料版の利用がおすすめです。
7. LINE
採用活動に連絡アプリの「LINE」を活用する企業も増加しています。
公式アカウントに友だち登録してもらうことで、従来のメールマガジンのような情報発信ができます。公式アカウントの作成は無料で、送信するメッセージの通数に応じて料金が変動します。
メールは開封率の低さが課題でしたが、LINEは日常生活に浸透したツールのため、開封率が高くなるのがメリットです。
一方で、情報を届けるには友だち追加してもらう必要があるため、自社サイトや会社説明会など、求職者の目に留まりやすい場所にQRコードを設置しておくなどの工夫が必要です。
採用ツール選定のポイント
採用ツールにはさまざまなものがあり、それぞれ使い方や特徴が異なります。自社に合った採用ツールを選定するポイントは以下の3つです。
- 自社の採用目標・計画達成に必要なツールを選定する
- 採用ターゲットにあわせて媒体やツールを選定する
- 運用・管理が容易で課題解決しやすいツールを選定する
1. 自社の採用目標・計画達成に必要なツールを選定する
採用ツールは、自社の採用目標・計画達成に必要なツール、抱えている課題を解決できるツールを選定することが大切です。
例えば、企業の認知度を高めたい場合と、採用業務の効率化を図りたい場合とでは、選ぶべきツールがまったく異なります。そのため「最近よく聞くから」「同業他社がみんな使っているから」などの理由で導入しても、期待するような成果が得られない可能性があります。
また、あくまで自社の採用目標・計画達成が目的であることを忘れないことも重要です。いつの間にかツールの運用そのものが目的になってしまうケースがあるため注意しましょう。
2. 採用ターゲットにあわせて媒体やツールを選定する
媒体や採用ツールは、自社が求める採用ターゲットに合わせて選定する必要があります。採用ターゲットの年齢層や属性などによって必要な要素やアプローチ方法が異なるためです。
例えば、SNSひとつを取ってもツールによってユーザー層が異なります。X(旧ツイッター)やTikTokは10〜20代、Instagramは20〜30代、Facebookは30〜40代以上がメインユーザーといわれています。
どんなに優れた情報発信を行っていても、自社の採用ターゲットが少ないプラットフォームでは効果が半減してしまうでしょう。
3. 運用・管理が容易で課題解決しやすいツールを選定する
採用ツールは、運用・管理が容易で課題を解決しやすいツールを選びましょう。運用・管理が難しいと結局続けられず、課題解決に至らない可能性が高いためです。
採用ツールの多くは通年、または長期的に運用する必要があり、使い慣れたりデータが蓄積されることで徐々に効果が高まる傾向にあります。
特に、有料ツールの導入を検討する場合は、無料版やトライアル版を担当者に触ってもらい、実際の使用感を確認してから契約することをおすすめします。
採用ツールが普及した背景
採用ツールが普及した背景には、主に以下3つの要素が関係していたといわれています。
- 売り手市場で様々な手法で採用する必要が生まれたから
- 採用活動全体のオンライン化が加速したから
- 採用人事の業務が複雑化しているから
1. 売り手市場で様々な手法で採用する必要が生まれたから
長期的な人口減少や少子高齢化が重なり、売り手市場で採用競争が激化していることを受けて、様々な手法で採用活動を行う必要性が生まれました。
求人広告や企業説明会など、従来の手法だけでは十分な母集団が形成できなくなり、「大人数の母集団から候補者を絞り込む」といったモデルが通用しなくなってきたためです。
特に不足しがちな若手人材にリーチするためには、その年齢層が好んで使うツールやプラットフォームに参入して情報発信する必要があるため、必然的に採用ツールが増加していきました。
2. 採用活動全体のオンライン化が加速したから
採用活動全体のオンライン化が加速したことも、採用ツールの普及を後押ししています。
特に2020年から始まったコロナ禍の影響は大きく、対面で説明会や面接が行えなくなった代替案として、半ば強制的にそれらのオンライン化が浸透していきました。
しかし、双方の移動コストを削減できるなど、オンライン化によるメリットも大きかったため、コロナ禍以降も引き続きその手法を活用している企業が多いようです。
採用活動のオンライン化は、今後も広がり定着していくことが予想されるため、企業側の導入・対応は避けられないでしょう。
3. 採用人事の業務が複雑化しているから
採用人事の業務が複雑化しており、業務の効率化を求めるニーズやトレンドが生まれたことが、採用管理ツールの普及に影響しています。
採用業務とひとくちに言っても、実際の作業は以下のように多岐にわたります。
- 採用計画の立案
- 求人媒体・広告手法の選定
- 各手法で使うツールの設定・運用
- 原稿やスカウト文面の作成
- 求職者とのコミュニケーションや応募対応
- 選考にともなう場所の準備や社内調整
- 面接などの選考の運営
応募者の数に比例してこれらの業務量が増加し、通常業務に支障をきたしたり、長時間労働につながったりするケースも珍しくありません。
採用ツール活用のメリット
採用ツールを活用する以下3つのメリットを解説します。
- 複数チャネルで接点を作れる
- 企業への深い理解を促進できる
- 業務の効率化を図れる
1. 複数チャネルで接点を作れる
採用ツールの活用には、複数チャネルで候補者との接点を作れるメリットがあります。
近年、求人広告や人材紹介だけで十分な母集団形成は困難になってきていますが、窓口となるチャネルを増やすことで課題の解決につながります。
業務が複雑化したり、手間がかかったりもしますが、企業として採用に力を入れていることをアピールでき、接点のなかった新たな層にもリーチできるでしょう。
2. 企業への深い理解を促進できる
採用ツールを活用することで、企業理解を促進できるのもメリットです。
これまで、自社が独自で行う情報発信は顧客・取引先・ステークホルダーのために行われてきましたが、求職者に向けた情報発信の充実を図る企業が増加しています。
これまで伝えられなかった自社のカルチャー・雰囲気・価値観などを多面的に伝えられるようになったことで、応募者の質の向上や、入社後のミスマッチの軽減が期待できるでしょう。
3. 業務の効率化を図れる
業務の効率化を測れるのも採用ツール導入のメリットです。
企業によって人事部の業務内容は異なりますが、採用業務のみを専門で行うケースは稀といえます。採用業務の負担が大きすぎると、その他のコア業務に支障をきたし、経営に欠かせない機能が果たせなくなる可能性もあります。
採用ツールによって業務を簡略化・効率化できれば、人件費の削減につながるうえ、人事担当者はより重要度の高い業務に時間を割けるようになります。
適切な採用ツールを導入して採用を効率化しよう
採用活動の質と効率を高める採用ツール。自社の採用目標や計画を達成できるもの、求める人材にリーチできるものを選ぶことが大切です。
採用ツールを導入することで、候補者との接点が増え、自社の情報を幅広く発信できたり、業務効率を大幅に向上できたりとさまざまなメリットがあります。
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