少子高齢化による慢性的な人手不足が続くなかで、人材獲得に悩む企業も多いでしょう。加えて、人材採用を取り巻く環境は、常に変化しています。

そこで採用を考える場合には、採用手法の特徴やトレンドを踏まえたうえで、適切な手法を選ぶことが大切です。

当記事では、採用手法の種類や最新トレンドをはじめ、採用手法の適切な選び方も解説します。効果的な採用を考える企業担当者様は、ぜひ参考にしてください。

比較|採用手法の種類一覧・特徴

採用手法には、さまざまな内容が存在します。ターゲット・採用人数といった目的や、予算・採用時期などの状況により、適する採用手法は異なります。代表的な手法は以下の11通りです。

  1. 求人広告
  2. 人材紹介
  3. 人材派遣
  4. イベント
  5. ハローワーク
  6. 自社採用サイト
  7. ダイレクトリクルーティング
  8. SNS採用
  9. リファラル採用
  10. アルムナイ採用
  11. 採用代行

それぞれの特徴について、解説します。

求人広告

求人広告とは、紙やWebなどの求人媒体に、求人広告を掲載する手法です。無料と有料の2パターンが存在します。有料プランはさらに細分化され、掲載するだけで料金が発生するものもあれば、採用できたら料金が発生する成果報酬型も存在します。

複数人にアプローチができるため、母集団を形成しやすいでしょう。しかし、「無料」や「有料プランの一番安価なもの」はライバルが多い傾向にあり、求人が埋もれる可能性も秘めています。

人材紹介

人材紹介とは、人材を採用したい企業に対し、求職者を紹介する採用手法です。人材紹介会社は、就活エージェント・転職エージェントとも呼ばれます。大別すると、以下の2種類です。

  • 総合型…幅広い業界や業種が対象
  • 特化型…特定の職種やターゲットが対象(例:営業職専門・新卒専門)

人材紹介では、採用が決まった時だけに料金が発生する「成果報酬型」が主流です。

また昨今では、人手不足で人材獲得に苦戦する企業も多く、中途採用市場に出る前に新卒を獲得する動きが増えています。自社に適した新卒を採用したい場合には、新卒採用に強みをもつkimeteがおすすめです。

「kimete」サービスの詳細はこちら

人材派遣

人材派遣とは、派遣会社が雇用する社員を、人材を欲する企業に派遣するサービスです。派遣社員は、所属先の派遣会社と雇用関係にあり、派遣先と雇用関係はありません。人材を派遣してもらった企業は、派遣会社に対し料金を支払います。

人材派遣では、派遣期間を決めて契約をし、派遣先と派遣された人の合意があれば契約を更新します。ただし、派遣期間は最長3年までです。また、業務範囲を明確に規定するため、範囲外の仕事は基本的に依頼できません。

イベント

採用におけるイベントとは、企業と求職者をつなぐ場を設け、採用につなげる手法です。中途採用に特化した転職フェアや、新卒採用に特化した合同説明会など、ターゲットごとにイベントが開催されます。

イベントの参加には、数十万から数百万円の出展料がかかるでしょう。しかし、参加者と直接話ができるため、お互いに雰囲気をつかめます。またイベントでは、すべての企業が求職者の目に触れやすく、知名度が低い企業にもチャンスがあります。

ハローワーク

ハローワークとは、厚生労働省が展開する職業安定所であり、職業相談・求人案内などを行なう施設です。採用希望の企業が申し込むと、求人情報をハローワーク内の端末に掲載できます。Webで閲覧可能な「ハローワークインターネットサービス」への公開も可能です。

またハローワークは、完全無料で利用できます。無料である分、「利用者が多い」「掲載情報が少ない」という背景から、ターゲットとは異なる求職者からの応募も多いでしょう。

自社採用サイト

自社採用サイトとは、自社で制作する「求職者向けサイト」を指します。自社のホームページ内に、採用に特化したページとして設け、そこから応募を集めるケースが一般的です。社内に技術者が存在すれば、完全無料での作成も可能です。外注の場合には、数10万~数100万円ほどかかるでしょう。

また運用がうまくいけば、採用費が無料な点も特徴です。自社のオリジナルサイトであるため、レイアウトや内容を自由に変更できます。

ダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングとは、企業が気になる求職者に対し、直接アプローチする採用手法です。応募を待つのではなく、自らアタックする「攻め」の採用手法です。SNSを活用するケースでは、アカウント登録をすれば、無料でアプローチできます。

料金は発生するものの、「ダイレクトリクルーティングサービス」や「求人広告のスカウトメールサービスを利用」といった方法もあります。アプローチした相手に響くような、文章作成スキルも必要です。

SNS採用

SNS採用とは、XやFacebookなどのSNSを活用した採用手法です。基本的に無料で利用できます。

SNS採用は、前述で紹介した「ダイレクトリクルーティング」での活用が可能です。ほかにも、SNSでの情報公開によって、求職者との交流を深められます。不特定多数の人が目にするため、転職顕在層・転職潜在層の両者へのアプローチが可能です。

しかし即採用につながらないケースも多く、長期的な視点で利用すると良いでしょう。

リファラル採用

リファラル採用とは、自社の従業員や取引先などを通じ、自社にマッチしそうな人材を紹介してもらう採用手法です。無料でもかまわないものの、紹介してくれた人に、数万円ほどの謝礼を支払うケースが多いでしょう。採用をすることが前提の「縁故採用(俗にいうコネ入社)」とは異なり、選考や面接を通じ、マッチしない場合には断る事例も見受けられます。とはいえ、自社をよく知る人物からの紹介であるため、マッチングの精度が高い点も特徴です。

アルムナイ採用

アルムナイ採用とは、自社の退職者を再び雇用する採用手法です。出戻り採用と呼ばれることもあります。再雇用するにあたって、料金は発生しません。

アルムナイ採用は、退職者から「再び働きたい」と申し出があるケースもあれば、会社から「戻ってきませんか?」と声をかけるケースもあります。自社を理解した人材を採用できるため、ミスマッチの可能性を最小限にとどめられるでしょう。また新規で採用をするより、教育にかける費用を抑えられます。

採用代行

採用代行とは、企業の採用業務を代行するサービスです。品質向上や採用業務の負担軽減を考え、採択するケースが多いでしょう。料金体系は、月額制が一般的です。

混同されがちな人材紹介では、企業と求職者のマッチングを実施するものの、面接や選考は企業が実施します。一方採用代行は、面接や選考も採用代行会社が実施します。

自社に適した人材採用を考える場合には、kimeteの「新卒コンサルティング・採用代行サービス」がおすすめです。手厚いコンサルティングが展開されるため、採用に必要なノウハウを吸収できるでしょう。

「kimete」サービスの詳細はこちら

 

多様化・変化する採用手法の最新トレンド

採用手法は、採用目的や背景に応じてベストな内容を選ぶことが大切です。また、時代の流れとともに、その時々に応じて採用手法も変化します。採用市場の流れをつかむと同時に、多様化する採用手法のトレンドを把握したうえで、最適な手法を選ぶと良いでしょう。

ここでは、採用手法の最新トレンドについて、5つの手法を紹介します。

新卒採用

近年の新卒採用は、「オンライン採用の浸透」「人材争奪戦で攻めの動きが加速」の2点から、ダイレクトリクルーティングが選ばれています。SNSで情報収集する学生も多く、SNS採用への注目度も高いです。

また昨今の新卒採用では、マス型採用と個別採用の併用が人気です。限定的なターゲットから母集団を形成する背景によって、大学セミナーでの新卒採用も増えています。一方学生は、志望度が高い企業に応募しつつ、オファーを待つ傾向にあります。

中途採用(転職・契約社員を含む)

従来、中途採用での採用手法の定番は、人材紹介と求人広告でした。

しかし昨今では、単に両者を活用するだけでは、思うような効果が得られないことも実情です。そのため、ターゲットを狙った「個別採用」が注視されています。リファラル採用への注目も高まっており、マッチする人材を効率的に採用したい意図を汲み取れます。

とはいえ、依然として「人材紹介」や「求人広告」も人気です。両者を活用しつつ、個別採用も意識すると採用確率がアップするでしょう。

アルバイト採用

アルバイト採用でも、個別採用を意識した動きが見受けられます。新卒採用や中途採用のように、アルバイト採用でもリファラル採用が注視されています。また、企業のイメージアップを目指しつつ、応募者を増やすような採用手法も人気です(例:自社採用サイト、SNS採用)

エンジニア採用

昨今では「引く手あまたなエンジニア採用」に向けて、複数の採用手法を組み合わせつつ、攻めの動きを意識しています。またエンジニアから選んでもらえるよう、ミートアップなど自社の雰囲気がわかるような採用手法も注目されています。現時点では転職を考えていない層も狙うため、リファラル採用など転職潜在者にもアプローチできる採用手法も人気です。

営業職採用

営業職の母数が減り、働き方の多様化も相まって、営業職採用に苦戦する企業が増えています。ひと昔前は、営業職採用は会社側が選ぶ流れだったものの、昨今では営業職から会社を選んでもらう流れに逆転しています。

そのため、認知度アップやブランディング強化を意識した採用がトレンドです。またエンジニア採用と同じく、「自社の雰囲気を伝える」「転職顕在層にもアプローチ可」のような採用手法も注目されています。

 

採用手法の選び方

採用手法のトレンドであっても、すべての企業に効果があるオールマイティーな採用手法は存在しません。複数の採用手法のなかから、自社に最適な採用手法を選ぶことが、成功のポイントです。

ここでは、採用成功に向けた「採用手法の選び方」について、ポイントを交えながら解説します。詳細は以下の通りです。

自社の課題・採用活動目的を明確化する

採用手法は、即効性を期待する短期的手法と、採用課題の解決を目指す長期的手法に大別できます。

  • 短期的手法の例:求人広告・人材紹介
  • 長期的手法の例:SNS採用・リファラル採用・自社サイト

採用手法を選ぶ際には、今回が「短期的な手法」「長期的な手法」のどちらに該当するかを判断します。そのためには、自社の課題・採用活動目的の明確化が必要です。たとえば、「退職者の補填」であれば、短期的な手法から予算や目的に応じた内容を選びます。

求める人物像を意識する

求める人物像(=ペルソナ)を意識すると、選ぶべき採用手法が見えてきます。

たとえば新卒採用を行なう場合には、学生が利用する採用手法がベストです。大学生の場合には、SNSや大学構内で情報収集をする傾向にあるため、SNS採用や大学でのイベントなどが適します。一方、専門スキルを保持する中途人材を早急に獲得したい場合には、自社に合った人を紹介してもらえる「人材紹介」を選ぶのも良いでしょう。

新しい採用サービス・アプローチ法がないか調査する

採用手法のトレンドは、時代の流れに応じて変化しています。また変化と同時に、新たなサービスやアプローチ法が出てきている可能性もあります。

そこで、新しい採用手法や採用管理ツールなどを調査してみると、ライバル企業が少ない方法を発見するかもしれません。ライバルが少なければ、良い人材をすぐに獲得できる可能性があります。

従来の採用活動をすすめながら、新たな採用サービス・アプローチ法を探す姿勢が、最適な採用手法を選ぶことにつながります。

掲載コスト・オプションサービスなどのメリット・デメリットを比較する

採用手法を選ぶ際には、目的や採用したいターゲットを踏まえたうえで、各採用手法のメリット・デメリットを比較すると良いでしょう。両側面を総合的に判断することで、自社に適した採用手法が明確になります。

またメリット・デメリットを双方で補えるよう、複数の採用手法を選んだうえで、併行しながら採用活動を行なうのもアリでしょう。

 

状況別|おすすめ採用手法

ひとくちに「良い人材を採用したい」といっても、置かれた状況によってベストな採用手法は異なります。なぜなら、採用手法にはそれぞれ特徴があるからです。オールラウンダーな採用手法は存在しないため、採用したい企業が、今回の採用に適した方法を選ぶ必要があります。

状況別のおすすめな採用手法は、以下の通りです。

良い人材が応募してくれない場合

良い人材が応募してくれない企業の共通点は、自社の魅力を伝えられていないことです。求職者に魅力が伝わらないと、応募につながりません。正確な情報を伝えていないため、応募のミスマッチも生じがちです。

こうしたケースでのおすすめな採用手法は、人材紹介とイベントです。人材紹介では、求職者に対し、プロ目線で「自社の魅力」を伝えてくれます。

またイベントでは、求職者と話す機会があるため、魅力が正しく伝わりやすいでしょう。正しい情報が伝われば、応募のミスマッチも減らせます。

無料の採用サービスを選びたい場合

「採用にかけられる予算が少ない」や「効果が不明なので、無料のサービスを利用したい」といった理由で、無料の採用手法を選びたいケースもあるでしょう。無料でおすすめの採用手法は、「ハローワーク」「SNS採用」「アルムナイ採用」です。料金が発生しないため、別の採用手法と併用してもコストが気になりません。

また自社採用サイトも、外注をせずに内製で済ませられる場合には、無料での対応が可能です。

 

まとめ

採用手法にはそれぞれ特徴があり、トレンドも存在します。採用を成功させるには、時代背景に即した内容を選びつつ、採用目的に適した手法を選びましょう。

適した採用手法を選んだうえで、効果的な採用を実現したい場合には、kimeteの各種サービスがおすすめです。kimeteは全国の優良企業を対象とした、新卒コンサルティングサービスです。

採用にお悩みがある企業様は、以下の資料をダウンロードしていただき、「お悩み別 解決策診断チャート」をお試しください。結果によって、貴社に最適な方法がわかります。自社の状況が結果として出るため、活用すべき採用手法も見えてくるでしょう。