採用活動は、企業成長の鍵を握る重要な一歩です。採用計画の策定から採用手法の選定、選考プロセス、内定後のフォロー、新入社員の定着まで、一連の採用活動には多くのステップと戦略が必要です。

この記事では、採用活動の全体像と具体的な進め方、成功のためのポイントを詳しく解説します。変化する社会情勢を踏まえた最新のトレンドも取り上げています。ぜひこの記事で、採用活動を効果的に進めるためのヒントを得て下さい。

採用活動とは?

採用活動とは、企業が新たな人材を見つけ、雇用する一連のプロセスです。採用計画の策定や募集要項の作成、求人広告の掲載、応募者の選考、面接、内定出し、入社フォローなど、多岐にわたるステップが含まれています。

新卒採用と中途採用では異なる特徴があり、それぞれの目的や方法に合わせて戦略を立てることが重要です。採用活動を通じて適切な人材を確保することは、企業の成長と競争力の向上につながります。

 

企業側の採用活動の目的

企業側の採用活動は、自社の目標やビジョンを達成するために不足している人材を補うことを目的としています。成長や変革を目指す企業では、現在のチームにはない特定のスキルや経験を持った人材が必要になります。採用活動を通じて、新しい才能やアイデアを持った人材を迎えることは、市場動向への適応や持続可能な発展に不可欠です。

また、新規採用される人材は、チームに新鮮な視点や刺激をもたらし、組織全体のエネルギーを高める効果も期待できます。採用活動は、単に社員の人数を増やすだけでなく、企業の価値観とマッチした優秀な人材を選出し、組織を長期的な成功へと導くための重要な取り組みです。

 

経営計画・事業計画から採用活動を設計する

採用活動は、企業が目標やビジョンを達成するために、経営計画や事業計画から逆算して設計する必要があります。経営計画や事業計画が示す将来の成長方向や事業領域を見据え、どのようなスキルや経験を持った人材が不足しているかを特定することが重要です。

採用計画は、必要な採用人数の算出、予算の設定、採用手法の選択など、中長期的な視点で慎重に練られるべきです。企業が目指す将来像を実現するため、戦略を立て、効率的な採用活動を設計しましょう。

 

採用活動の流れ

では、実際に採用活動のフローを見ていきましょう。ここでは、以下の6ステップに分けて解説します。

  1. 採用計画を策定する
  2. 採用戦略を策定する
  3. 採用手法を選定する
  4. 求人・募集をかける
  5. 選考を実施する
  6. 内定出し・入社フォローをする

01.採用計画を策定する

まず最初に、採用計画を策定しましょう。採用計画の策定は、事業目標と現在の人員構成を分析することから始まります。売り上げ目標や業務量、現在のチーム構成、将来の事業拡大計画を総合的に考慮し、今後必要とされる人員数や業務の分担、役割を算出します。

また、採用計画策定には、社内関係者との連携が不可欠です。経営層や現場責任者からのフィードバックを得て、正確に現状を把握することが重要です。分析結果をもとに、具体的な採用目標人数、職種、雇用形態、採用時期を設定しましょう。

02.採用戦略を策定する

次のステップは、採用戦略の策定です。採用戦略は、他社との差別化を図り、魅力的な人材を引き付けるために重要です。まず企業が目指す方向性とビジョンに沿って、求める人物像を定義しましょう。次に、市場分析を行い、求職者のニーズや競合他社の採用動向を理解します。

分析した情報から、自社のユニークな強みを特定し、求める人物像に刺さる採用メッセージを決定します。さらに、具体的な採用目標と達成するためのアクションプランを定めて、社内での共有を行いましょう。

03.採用手法を選定する

採用手法の選定では、採用戦略で定めた求める人物像に最適なチャネルを選択します。利用可能な手法には、人材紹介サービス、求人広告、リファラル採用、ダイレクトリクルーティング、ヘッドハンティング、SNS採用などがあります。

各手法のメリットとデメリットを検討し、予算やニーズ、ターゲット層に最も適した手法を選択しましょう。また、採用市場の最新トレンドや競合他社の動向も考慮に入れると良いでしょう。

04.求人・募集をかける

採用手法が決まったら、いよいよ求人・募集をかけましょう。採用計画と採用戦略に基づいて求人広告を作成します。募集要項には、職務内容、必要なスキルや経験、待遇などを具体的に記述します。自社が求める求職者に適切に届くよう、MUST条件(必須条件)とWANT条件(希望条件)を明確に示しておきましょう。

求人広告を作成したら、適切なメディアやプラットフォームに掲載します。企業のWebサイト、求人ポータル、業界固有の求人媒体、SNSなど、ターゲット層に合わせたチャネルを通じて公開することが重要です。

05.選考を実施する

求人広告への応募を受け付けたら、選考がスタートです。選考プロセスは、書類選考や集団面接、個別面接、グループワーク、能力試験などがあります。選考を実施する前に、選考基準を明確に設定した上で、自社の選考に必要なプロセスを決定しましょう。

各選考段階で評価する内容と方法を決定し、選考プロセス全体で求職者の適合性を総合的に評価します。選考が終了した後は、できる限り迅速に合否決定を行い、誠実に求職者へのフィードバックを行いましょう。

06.内定出し・入社フォローをする

全ての選考プロセスを終えたら、内定者に対して正式な内定通知を行います。仕事の内容、待遇、入社日などの詳細を含め、書面での確認を求めます。無事内定承諾を受けた場合は、必要な手続き、提出書類など入社にあたって必要な事項を案内しましょう。

また、入社前のオリエンテーションや歓迎イベントを計画すると、新入社員がスムーズに職場に溶け込むためおすすめです。入社後は、適切な研修プログラムの提供や、メンター・チューター制度の導入など、新入社員の早期離職を防ぐ取り組みが重要です。

 

採用活動で応募を募る具体的な方法

採用活動で応募を募るには、さまざまな方法があります。ここでは、以下について具体的に解説します。

  • 自社ホームページへの求人情報掲載
  • 外部の求人媒体への掲載
  • 人材紹介・派遣登録
  • ヘッドハンティング・スカウト
  • SNS・オウンドメディア

自社ホームページへの求人情報掲載

自社ホームページに求人を掲載するメリットは、自社へ直接応募連絡をするようなモチベーションの高い求職者を獲得できることです。また、自社ホームページのため文字数などの制限がなく、企業の魅力や文化を自由に表現ができ、採用戦略のノウハウも蓄積されます。

デメリットとしては、初期コストや運営のための人件費が必要で、検索結果で上位表示されるまでに時間がかかる点があります​​​​​​。PDCAを回し続けて常に改善することが重要です。

外部の求人媒体への掲載

外部の求人媒体への掲載は、幅広い層の求職者からの応募を獲得できることがメリットです。特に求職者の登録者数が多い求人媒体では、自社の求人広告へのアクセスも増える可能性が高く、さまざまなスキルや経験を持つ人材からの応募が期待できます。

一方、デメリットとしては、掲載できる情報量に制限があるため、自社の特徴を十分に伝えることが難しい場合があります。また、求人の形式が決められているため、他社との差別化が困難になることがあげられます​​。

人材紹介・派遣登録

人材紹介や派遣登録を利用するメリットは、特定のスキルや経験を持つ人材を迅速に探せる点です。専門知識を持ったエージェントが自社のニーズや状況に応じた、適切な求職者を紹介してくれるため、採用プロセスが効率的になります。

ただし、デメリットとして、人材紹介や派遣会社への手数料やサービス料が発生するため、コストがかかる点があります。採用活動にかける予算を考慮した上で、サービスを利用するか検討すると良いでしょう。

ヘッドハンティング・スカウト

ヘッドハンティングやスカウトの利用は、高度な専門性や経験を持つ求職者を直接ターゲットにできるメリットがあります。特に重要なポジションや役職者の採用に有効で、即戦力となる人材の確保が期待できます。

しかし、この方法は一般的な採用手法に比べて高コストであり、求職者との交渉に時間と労力が必要になることは、注意しておきましょう。また、年収が高い人を採用することとなるため、入社後の人件費も高くなります。

SNS・オウンドメディア

SNSやオウンドメディアの活用は、リアルタイムでダイナミックな企業情報や職場環境を発信できる点がメリットです。若年層や特定の業界に特化した人材に届きやすく、ブランドの魅力を広範囲に伝えることが可能です。

デメリットとしては、継続的なコンテンツの更新や管理が必要であり、ターゲットに適したコンテンツを作成するためのリソースが必要です。また、誤った情報や不適切な発信をした場合はブランドイメージに影響を与える可能性もあるため、SNS担当者の教育は重要です。

 

新卒採用活動成功のポイント

新卒採用活動の成功には、時期やスケジュールの把握とトレンドの理解が不可欠です。ここでは、広報解禁から内定までのスケジュールと、近年のトレンドについて、新卒採用活動成功のポイントを詳しく紹介します。

新卒採用活動の時期・スケジュール〜広報解禁から内定まで〜

新卒採用活動は、広報解禁から内定まで、以下のスケジュールで進行します。

①広報活動:3月1日~
広報活動の解禁日は、3月1日です。12月から2月にかけては、ホームページや就活ナビサイトに掲載する情報の準備を行います。広報活動の解禁後は、採用サイトをオープンし、学生のエントリー受付が開始されます。SNSや紹介動画などを使ってアプローチを行い、会社説明会に注力する期間です。

②選考活動:6月1日~
選考活動の解禁日は、6月1日です。書類選考や筆記試験、面接、グループワークなど、選考活動が本格化し、採用担当者が最も忙しい時期となります。

③内定出し:10月1日~
内定出しの解禁日は、10月1日です。大手企業など10月1日に内定式を行う企業も多いため、これまでに内々定として学生に通知しておくケースが一般的です。内定後は、内定者研修や交流会を行い、入社までのフォローを行います。

新卒採用活動のトレンド

2025年卒の新卒採用活動では、インターンシップから本選考につなげる採用直結型インターンが解禁されるという、大きな変化があります。今後は、インターンシップが新卒採用戦略に組み込まれやすくなり、さらに利用が増えていくと予想されます。

経団連が就活ルールを政府主導に引き継いだ2021年卒以降、選考プロセスがますます多様化しており、企業にとっては、どのような採用手法を選択するかの重要度が高まっています。採用直結型インターンシップの増加により、より戦略的な採用アプローチが求められるようになるでしょう​​​​。

 

中途採用活動成功のポイント

中途採用活動は、新卒採用活動と違い時期が決まっているものではありませんが、計画的なスケジューリングと市場トレンドの理解は必須です。ここでは、中途採用活動成功のポイントを詳しく紹介します。

中途採用活動のスケジュール

中途採用活動は通年で行われることが多いですが、活動が活発になる時期と落ち着く時期があります。例えば、新年度の4月に入社を検討する人は、1~3月に転職活動が活発となります。また、6~7月の夏賞与、11~12月の冬賞与を受け取ってから、転職活動をスタートする人も多いです。一方で、5月や8月の長期休暇中は求職者の動きが鈍るため、採用活動が落ち着く傾向にあります。

中途採用活動を検討する際は、まず求人広告の作成や求人サイトへの掲載を行い、ダイレクトリクルーティングなどによる積極的なスカウト活動を実施しましょう。中途採用の場合、すぐに入社を希望する求職者も多く、スピーディーな対応が求められます。書類選考、面接の日程調整、内定通知といったプロセスを迅速に進める必要があります​​。

中途採用活動のトレンド

中途採用活動は、決まったスケジュールがない中で、設定した期限までに採用を成功させる必要があります。そのため、応募のあった転職顕在層だけでなく、まだ転職を具体的に考えていない潜在層に対してもアプローチする手法への注目が高まっています。

特に近年のトレンドとなっているのは、ダイレクトリクルーティングサービスを使った採用手法です。ダイレクトリクルーティングサービスは、スキルや職歴から気になった求職者へ企業が直接スカウトを送り、面談や面接につなげることが可能です。転職活動を積極的に行っていない人でも情報を登録しているケースが多く、潜在層に対してのアプローチができるため、中途採用活動に適した採用手法です。

 

採用活動をするならまずは課題を整理しよう

採用活動は、企業の成長と継続性を確保するために重要な取り組みです。経営計画や事業計画に基づいた採用戦略を設計し、自社にマッチした求職者の採用を実現しましょう。市場のトレンドを踏まえ、時代に即した採用手法を取り入れることが成功への鍵です。

採用活動には多くの課題が伴いますが、課題を整理し、戦略的に進めることが大切です。効果的な採用活動を目指すなら、採用に関するさまざまな課題・お悩みを解決するサービスを提供する新卒採用支援サービスkimeteにご相談下さい。

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