新卒採用イベントは、優秀な若手人材を採用するための最初のステップです。しかし、新卒採用イベントの種類は多岐にわたっており、どのイベントを選ぶべきか迷うことが少なくありません。

この記事では、新卒採用イベントの種類や選び方、集客のポイントなど、詳しく解説いたします。新卒採用イベントを上手く活用し、多くの学生に企業の魅力を伝えることで、採用活動の成功につなげる方法を探究していきましょう。

新卒採用イベントとは

新卒採用イベントは、社会人としての第一歩を踏み出す学生と、企業との出会いの場です。イベントでは、企業が学生に自社の魅力や仕事内容を直接伝え、学生に自分のキャリアプランを具体的にイメージしてもらう機会となります。

企業にとっては優秀な新卒社員を獲得し、学生にとっては理想の職場を見つけるチャンスとなります。新卒採用イベントは、双方にとってWin-Winの機会であり、採用担当者にとっては、採用広報として戦略的な役割を果たす重要なイベントです。

 

新卒採用イベントの種類とメリット・デメリット

新卒採用イベントには以下のようにさまざまな種類があります。

  • 合同企業説明会(合説)
  • 業界特化型合同企業説明会
  • 学部・学科限定型合同企業説明会
  • 学内合同企業説明会
  • 個別会社説明会
  • セミナー・社員座談会
  • インターンシップ

ここでは、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。

合同企業説明会(合説)

合同企業説明会は、通称「合説」と呼ばれる、多数の企業が同じ会場で一斉に会社説明会を行うイベントです。このイベントは、展示場や大ホールなどの広い会場で開催され、多くの学生が参加します。

合同企業説明会のメリットは、一度の参加で多数の学生にアプローチできる、効率的な機会です。

しかし一方で、個々の学生と十分な時間を割く余裕がないのがデメリットです。いかにその後の個別の企業説明会や面接へ、学生を参加させることができるかが鍵となります。

多くの企業が出展するため、各企業の特徴が埋もれてしまう可能性も考慮しなければなりません。合同企業説明会を成功させるためには、自社の魅力を際立たせ、短い時間で学生の興味を引きつける方法を考えることが必要です。

業界特化型合同企業説明会

業界特化型合同企業説明会は、マスコミやIT業界、食品メーカー、観光業界など、特定の業界に特化した企業が集まるイベントです。この形式では、業界に関心を持つ学生が訪れるため、内定につながる優れた人材との出会いが期待できる点がメリットです。

一方で、大手や有名企業など、業界トップのブースに学生が集まりやすいため、他の企業は学生の注意を引くために工夫が求められます。競合他社との差別化を考え、独自のアピール戦略を練ることが重要です。

また、業界にまだ詳しくない学生に対しても、自社が属する業界の魅力を伝える貴重な機会となります。業界のトレンドや展望について的確な情報を提供し、学生に興味を持ってもらうチャンスとしましょう。

学部・学科限定型合同企業説明会

学部・学科限定型合同企業説明会は、工学や化学、情報分野など、特定の学部や学科の学生を対象にしたイベントです。特に理系の学生は、研究内容をそのまま専門職種で活かすパターンが多いため、よく開催されます。

この形式では、学生の学んできた分野と企業が求めるスキルや専門知識がマッチしやすく、採用に直結するメリットが期待できます。実際の現場で働く社員も参加することで、よりリアルに働く環境を知ってもらうことができるでしょう。

ターゲットを絞った会社説明会で、効果的な採用プロセスを構築できるメリットがありますが、一方で人材の多様性が限られる可能性も考えなければなりません。学部・学科限定型合同企業説明会を実施する際は、他の採用イベントと組み合わせて活用しましょう。

学内合同企業説明会

学内合同企業説明会は、在籍する学生を対象として、大学のキャンパス内で行われる会社説明会です。企業の採用担当者が直接大学を訪れ話をするため、学生のリアルな雰囲気や環境をより深く理解できるでしょう。

学内の合同企業説明会では、学生自身もキャンパス内でリラックスしてイベントに参加できるため、企業への好感度が高まるメリットが期待できます。一方で、特定の大学に通う学生のみが参加するため、企業がアプローチできる潜在的な候補者の数に制限があることを念頭に置くべきです。

それでも、学内合同企業説明会は、企業にとって大学との関係を築ける機会であり、将来の採用活動に寄与する可能性があります。学内コミュニティとの協力を強化し、企業の認知度と評判を高めるための戦略を練りましょう。

個別会社説明会

個別会社説明会は、企業が独自に主催する会社説明会です。個別企業説明会のメリットは、企業の歴史、仕事内容、職場の雰囲気など、詳細な情報を提供し、学生に自社をより深く理解してもらう機会にできることです。質疑応答の時間では、学生との相互理解を深めることが可能です。

ただし、一社で開催するため席数や集客には限りがあるデメリットもあります。予期せぬキャンセルが発生すると出席人数が減少し、損失を被る可能性もあります。開催形式や日程、回数、社員の参加の調整など、開催まで多くの対応が必要ですが、その分効果が高い方法なので、しっかりと準備しましょう。

個別会社説明会を成功させるためには、どのような情報を提供するべきか検討し、自社の強みを際立たせた魅力的なプログラムを組むことが大切です。

セミナー・社員座談会

セミナーや社員座談会は、企業と学生との交流の場です。企業側が一方的に会社説明を行うのではなく、現場の社員などが参加してオープンに学生と会話をすることで、学生の疑問質問を解消するメリットがあります。

個別会社説明会の後などに開催する企業が多く、魅力に感じた学生と交流を深めることで、より企業の理解と志望度を高めるチャンスとして活用できます。反対に、あまりフランクに話せない雰囲気があったり、学生のニーズに応えられなかった場合には志望度が低下する可能性もあります。

座談会に参加する社員は慎重に選び、学生が価値を見出しやすいトピックや情報を提供することが重要です。参加者との双方向の対話を促進する工夫を凝らしましょう。

インターンシップ

インターンシップは、学生が企業内で実際の業務を体験するプログラムです。インターンシップは、1日から数週間にわたるさまざまな形式で実施されますが、いずれの形式も学生との深い関係を築く貴重な機会となります。

さらに、実際の業務を体験することで、採用面接だけでは難しい企業への適性を評価する場として機能します。ミスマッチを防ぎ、将来の優秀な社員を発掘するチャンスとなるでしょう。

ただし、選考プロセスが長期化する可能性が高いため、計画的な実施が必要です。インターンシップを成功させるためには、明確な目的を設定し、学生と企業の両者にとって有益なプログラムを提供することが非常に重要です。

 

新卒採用イベントの開催方法

新卒採用イベントは、以下の2つの開催方法があります。

  • オフライン開催
  • オンライン開催

新卒採用イベントを成功させるために、自社に合った適切な開催方法を選択することが重要です。

オフライン開催

オフライン開催は、企業の会議室やイベント会場、貸し会議室などで実施する形式です。

【メリット】

  • 対面でのリアルなコミュニケーションで関係を築ける
  • 企業の雰囲気や文化を実際に感じてもらい、印象付けができる
  • 全国各地で開催すると、地域に密着した採用活動の展開が可能

【デメリット】

  • 会場の手配やスペースの制約がある
  • コストと労力がかかる
  • 遠方からの参加が難しい学生にとってアクセスが制限される

オフライン開催は、対面での交流で学生との関係を深め、企業の魅力を伝えられる方法です。

オンライン開催

オンライン開催は、Web会議ツールなどでインターネットを通じて実施する形式です。

【メリット】

  • 場所の制約がなく広範囲の参加者にアプローチできる
  • 会場や物品など費用を大幅に削減
  • 参加者のデータを収集し、分析することが容易

【デメリット】

  • 直接対話が難しく、学生とのリアルなつながりを築きにくい
  • 性格や志向などどのような学生が参加しているのか把握しづらい
  • インターネット接続の問題が発生する可能性がある

コロナ禍以降、近年ではオンライン開催が増えつつあり、柔軟性が高いとされています。

 

新卒採用イベントの選び方

新卒採用イベントの選び方は、企業のニーズに合わせて検討が必要です。以下にそれぞれの形式でおすすめの企業を紹介します。

  1. 合同企業説明会(合説)
    →多くの学生にアプローチしたい企業、ブランド力がある企業
  2. 業界特化型合同企業説明会
    →業界志向の強い学生を採用したい企業
  3. 学部・学科限定型合同企業説明会
    →特定の学部や学科から適性の高い学生を採用したい企業
  4. 学内合同企業説明会
    →大学と連携を強化し、将来の採用活動にもつなげたい企業
  5. 個別会社説明会
    →自社の特徴や魅力を詳しく伝え、相互理解を深めたい企業
  6. セミナー・社員座談会
    →対話を通じて、学生と交流を深めたい企業
  7. インターンシップ
    →実務体験で企業への適性を見極めたい企業

新卒採用イベントは、企業の採用戦略やスケジュール、予算などを考慮し、最適な形式を選択しましょう。複数のイベントを組み合わせることも効果的です。

 

新卒採用イベント開催・参加までの流れ

新卒採用イベントの開催や参加に向けたステップを詳しく見ていきましょう。

  1. 採用ターゲット・採用人数を明確にする
  2. 採用目標達成のために必要なチャネルを選定する
  3. 目的に合った採用イベントを選定する
  4. 採用イベントのコンテンツを企画する
  5. 参加後のフォローまで入念に事前準備する
  6. 企画・施策を実行して振り返る

採用活動を成功に導くためには、戦略的に進めることが重要です。

1.採用ターゲット・採用人数を明確にする

まず最初に、採用ターゲットと採用人数を明確にしましょう。どのような学生を採用したいのか、新卒社員をいつまでに何名採用するのか、事業計画や経営方針、トップの意向などをもとに、具体的に設定します。

採用ターゲットと採用人数は、採用活動の手法や参加すべきイベントを選択する上での基準となります。明確な目標を設けることで、採用プランを策定し、適切なイベントやプロモーション戦略を展開する際の指針となるでしょう。

2.採用目標達成のために必要なチャネルを選定する

次に、採用目標を達成するために必要な採用チャネルを選定しましょう。採用チャネルは、企業が学生にアプローチするための手法を指します。求人広告、採用イベント、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、リファラルなど、多種多様な採用チャネルが存在します。

採用ターゲットや採用人数に合わせて、最適なチャネルの選定が必要です。採用チャネルは多様化しているため、単一の手法にこだわらず、複数のチャネルを組み合わせたり、過去のデータを分析して自社に適したチャネルを見つけましょう。

3.目的に合った採用イベントを選定する

採用目的に合わせて、適切な採用イベントを選定しましょう。合同企業説明会、業界特化型合同企業説明会、学部・学科限定型合同企業説明会、学内合同企業説明会、個別会社説明会、セミナー・社員座談会、インターンシップなど、さまざまなイベント形式があります。

採用チャネルと同様に、1つの採用イベントだけでなく、目的やニーズに合わせて、複数のイベントを検討することが大切です。それぞれにメリット・デメリットがありますので、2段落を参考にして自社に適したイベントを選定してください。

4.採用イベントのコンテンツを企画する

選定した採用イベントのコンテンツを企画しましょう。イベントに出店するであろう他の企業やターゲットの志向性から、どのようなコンテンツを提供すると差別化を図れるかを検討します。

ターゲットとなる学生のニーズや関心に合わせた説明、社員インタビュー、パネルディスカッション、ノベルティなど内容を検討します。質疑応答の想定問答も準備しておくことがおすすめです。学生にとって魅力的な情報や体験を提供しましょう。

5.参加後のフォローまで入念に事前準備する

採用イベントで興味を引くだけでなく、参加した学生に対するアフターフォローも欠かさないようにしましょう。アンケートで参加者の感想を収集し、不安や疑念を解消するためにお礼メールや電話などでコミュニケーションを取ります。

さらに、応募プロセスや入社後のサポートについて詳細な情報を提供し、参加者がエントリーに進むようサポートします。これが採用イベントから内定につなげる上で、最も重要です。入社後活躍に向けたフォローのステップを事前に計画しておきましょう。

6.企画・施策を実行して振り返る

採用イベントを実施したら、振り返りも忘れず行いましょう。採用イベントは、遷移率が他の手法と比較して読みづらい部分があるため、企画・施策を実行したら数字を細かくチェックします。一緒に出展した企業なども変数になるため、なるべく網羅的に情報を残すのがおすすめです。

申込者数、出席者数、その後の選考段階へ進んだ割合など、データとフィードバック情報を収集し、イベントの成功要因と課題を把握します。この情報をもとに、今後の採用戦略の改善点を検討し、次回のイベントに生かしましょう。

 

新卒採用イベントに関するよくある質問

最後に、新卒採用イベントに関するよくある質問に答えます。

  • 面白い企画を考えるコツはありますか?
  • 個別説明会の集客のコツはありますか?

回答を参考に、自社に合った新卒採用イベントの実施を計画しましょう。

面白い企画を考えるコツはありますか?

面白い企画を考える際には、就活生・応募者目線での視点を持つことが重要です。学生が魅力的だと感じる企画を理解するために、学生インターンシップを導入する方法も1つです。学生の意見や提案を通じて、学生が興味を持つ要素を把握することができます。

ただし、「面白い」からといって採用に結びつくとは限らないため、興味を引くことだけに終止しないよう注意してください。採用に直結する情報提供や要素も組み込みつつ、企画を練ることが重要です。

個別説明会の集客のコツはありますか?

個別説明会は、学生にとってメリットのあるコンテンツを提供することが、集客の鍵です。学生が具体的な経験やスキルを得られると感じるようなプログラムを作ると効果的です。

最近では、短期インターンシップの形式を取り入れ、潜在層に対して魅力をアピールする企業も増えています。自社がターゲットとする学生のニーズを正確に把握し、それにマッチするプログラムを構築することで、効果的な集客戦略を立てましょう。

 

新卒採用イベントはイベント・コンテンツ選びが重要!

新卒採用イベントは、企業と学生との新しい出会いの場です。採用イベントの種類選びから、開催方法や運営、フォローアップまで、計画的に進めることが成功の鍵です。学生とのコミュニケーションを通じて、将来の企業に貢献する優秀な人材を発掘しましょう。

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