採用に関する日付には、「採用日」のほか「出社日」「入社日」「雇用開始日」など、さまざまなものがあります。それぞれの定義や違いがわからなくて戸惑うこともあるのではないでしょうか。

そこで、この記事では採用日とは何かということと、他の日との違い、それぞれの注意点について解説します。入社日と社会保険、雇用保険との関係性などについても紹介しますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。

採用日とは


採用日とは、企業と内定者とが雇用契約を締結した日のことです。一般的に、企業が内定を出し、内定者が内定を承諾したら、企業と内定者の間で雇用契約が締結されます。採用日はその雇用契約の締結日となります。

入社日・雇用開始日との違い

採用日と入社日の違いは、採用日が雇用契約を締結した日であるのに対して、入社日は、内定者が実際に企業に籍をおいて働き始めた日となります。

なお、雇用契約書には雇用の開始日を記載します。この雇用開始日は、原則として雇用契約下で働き始める「入社日」と一致するように作成されるため、入社日と雇用開始日は同じになります。

なお、会社によっては、単に働き始めた日を入社日と呼び、実際の入社日が雇用契約上の雇用開始日とずれる場合があります。その場合でも、社会保険の資格取得日を決める都合上、雇用開始日と入社日が一致するように雇用契約書を修正するといった手続きがなされます。

新卒採用の場合

新卒採用の場合、入社日(雇用開始日)は一般的に新年度の4月1日と決まっています。採用日は、入社日より前の雇用契約の締結日となります。なお、新卒の場合、入社日は入社式だけで仕事をしなかったり、入社してから数カ月ほどの試用期間を設けられたりすることもありますが、入社日は4月1日で変わりません。

また、新卒採用で、4月1日より前に、入社予定の会社で働くことがあるかもしれませんが、ほとんどの場合アルバイト扱いとなるため、入社日は4月1日のままです。入社日から正社員に雇用形態が変わることとなります。

なお、最近は、新卒の秋採用も少なくありません。秋採用の新卒枠で入社する場合は、4月1日でなく10月1日が入社日となります。

転職採用の場合

通年採用で転職した場合、入社日はその都度決まるため、ばらばらです。内定が出され次第、雇用契約を締結するのでその時点で採用日が決まります。入社日については、企業側から指定されたり、内定者と企業との相談のうえ決められたりします。

転職でも第二新卒などで新卒枠で就職する場合は、春採用の場合は入社日4月1日、秋採用の場合は10月1日となります。

 

採用日・入社日の指定可否

採用日や入社日を企業や内定者が指定できるかどうかについて解説します。

採用日は自動で決まり、入社日は希望を出せる

採用日は、雇用契約の締結日のため、企業と応募者とが雇用契約を締結すると自動的に決まります。一方の入社日は、企業があらかじめ決めている場合と、企業と応募者とで協議の上、決める場合とがあります。

新卒採用の場合、通常は企業があらかじめ4月1日と決めています。また、中途採用でも、プロジェクトの開始時期に合わせた採用や退職者の欠員補充のための採用などの場合は、企業側であらかじめ入社時期を決めています。そうした場合を除くと、応募者の希望も踏まえて入社日を決定することが多いため、応募者側から入社日の希望を出すことが可能です。

入社日の希望が合わず不合格・辞退になるリスクも

応募者側から企業に入社希望日を出すことはできるものの、タイミングや状況によっては不採用や内定辞退につながることもあるため注意が必要です。

例えば、内定前に、企業の提示している入社日について応募者が調整を依頼した場合、柔軟に対応してもらえる場合と、確実に入社できる人の方を採用される場合とがあります。

また、内定後に、内定者が企業に入社日の調整を依頼したにもかかわらず、企業側が調整しなかった場合には、内定者側から内定辞退をする場合もあります。

一般的に、入社日の希望を柔軟に聞いてもらえる場合でも、応募者が大幅な後ろ倒しを希望すると「入社意欲が低い」とみなされてしまうことが多いため注意しましょう。

 

採用日〜入社日の目安はどのくらい?


採用日と入社日は、実際どの程度離れているものなのか、目安を紹介します。

中途採用の場合2〜3カ月が多い

中途採用の場合、採用日(雇用契約の締結)から入社日までを2~3カ月とする企業が多く見られます。これは、中途採用の場合、前職の退職手続きや、引き継ぎなどに大体2~3カ月ほどかかることを見越して設定されているといえます。

退職手続き時に引き留めに合ったり、引き継ぎが難航したりして、入社日までに退職できそうにない場合、内定者は早めに内定先の企業に相談することが大切です。

とはいえ、退職まで4カ月以上かかるなど大幅に入社が遅れる場合には、内定取り消しの恐れもあるため、内定者は注意が必要です。

なお、すでに離職している内定者の場合は、すぐに入社可能であることを伝えて、企業の指示を仰ぐとよいでしょう。

1カ月ほどを指定される場合も

中途採用では、採用日から入社日まで1カ月と短い期間を指定されるケースも少なくありません。人員補充の必要性に迫られている企業の場合は、特に内定者の入社を急ぎたいというのが実情です。

とはいえ、採用日から入社日まで1カ月の場合というのは、内定者によっては対応が難しい場合もあります。企業側も内定者側もなるべく早めに入社日を確認し、調整が可能な場合は早目に調整することがおすすめです。

 

入社日を調整したい場合の文章イメージ

内定者から企業側に入社日の日程調整を依頼する際の文章について紹介します。

例えば下記のようなイメージで入社日の調整を依頼します。入社日をいつにしてもらいたいのかと、入社日を調整しなければならない事情を明確かつ簡潔に記載しましょう。

【入社日調整依頼のメール例文・テンプレート】

株式会社〇〇〇〇
人事部〇〇様

大変お世話になっております。
〇月〇日に貴社に入社予定の〇〇〇〇と申します。

このたびは、入社日の調整をお願いしたく、ご連絡いたしました。

入社のご指定日に間に合うよう、早めの退職を願い出ていたのですが
現職での引き継ぎが後任の体調不良のため難航しましておりまして、
退職日が予定より1週間延期の〇月〇日となりました。

そのため、入社する日を当初の予定の1週間後の〇月〇日に調整していただけないでしょうか。

貴社のご意向にそえず、誠に恐縮ですが、ご検討くださいますよう、何卒よろしくお願いいたします。

氏名:〇〇〇〇
TEL:〇〇-〇〇〇〇-〇〇
メールアドレス:◯◯◯@◯◯◯◯.◯◯

 

採用日から入社日までに行うべきタスク


採用日から入社日までに行うべきタスクについて紹介します。具体的には下記のようなタスクがあります。

  • 必要な文書の準備
  • 前職の退職手続き
  • 引っ越し手続き(必要に応じて)
  • 新しい職場・業務の情報収集

以下で詳しく解説します。

必要な文書の準備

採用日(雇用契約締結日)以降に、必要な文書は、下記のものです。

①雇用保険被保険者証
②年金手帳
③源泉徴収票
④扶養控除等申告書
⑤健康保険被扶養者異動届
⑥給与振込先の届書

①から③の書類は、内定者が退職先から受け取り、転職先の会社に引き渡します。④から⑥は、転職先の会社が記入用紙を用意しているケースが多く、内定者は必要事項を記入して、会社に提出します。

また会社によってはこれ以外にもマイナンバー確認書類や健康診断書などの提出を求めることがあります。

前職の退職手続き

内定者は前職の就業規則にのっとって退職手続きを行います。約2カ月前には上司に退職の意思を示しましょう。内定が確実でなくとも相談ベースで退職することを伝えておくと内定が決定したときに退職手続きを比較的スムーズに行えます。

1カ月前には、退職日を決めて退職届を会社に提出します。その後、業務の引き継ぎをします。退職日には最後の挨拶周りをするほか、健康保険証、社員証などを会社に返却し、雇用保険被保険者証などの必要書類を受け取ります。

引き継ぎを考えると退職までは大体1~2カ月の期間が必要となるでしょう。

引っ越し手続き(必要に応じて)

転職時に引っ越しをする場合は、転職先の出社日の1週間前くらいに終えておくことが理想です。

引っ越しに際しては、諸手続きが必要となります。転出・転入届を行うほか、電気、ガス、水道、インターネット回線などは転居当日から使えるように早めに手続きをしましょう。銀行や携帯電話、クレジットカードの住所変更手続きも必要です。

なお、会社都合での引っ越しの場合は、会社で費用負担や補助をしてもらえるのか確認し、必要な手続きを取るようにしましょう。

新しい職場・業務の情報収集

新しい職場や業務に早く順応して結果を出すために情報収集や準備をしておくことがおすすめです。必要に応じて採用担当者に資料をもらうとよいでしょう。

採用担当者は、内定者の配属先の上司などと相談し、必要な資料などを内定者に展開するようにしましょう。資料を渡すときには 内定者との秘密保持契約(NDA)の締結も忘れず行う必要があります。

 

入社日の変更可否とリスク

入社日の変更可否とリスクについて紹介します。

  • 変更可能だが注意が必要
  • 入社日変更交渉に伴うリスク
  • 対面・電話連絡だけでなく文面に残す

詳しい内容については次の通りです。

変更可能だが注意が必要

入社日の変更は可能であるものの注意が必要です。

会社はその日に内定者に入社してもらえるという強い期待を持って前々から準備をしています。特に中途入社の場合は即戦力としての期待があり、配属先の部署では入社を心待ちにされているでしょう。その期待と信頼を裏切らないためにも、よほどのことがない限り、内定者は入社日を変更しないことがおすすめです。

また会社側が入社日を変更することは、企業としての信頼が揺らぐほか、労働契約成立後の入社日延期ということで延期期間の賃金の全額支払い義務が生じる恐れもあります。できるだけ避けることが賢明です。

入社日変更交渉に伴うリスク

入社日変更交渉にはリスクが伴います。内定者にとっては、内定前に交渉するなどタイミングを誤ると、不採用につながりかねません。また、募集要項に入社日が明記されており、面接中も何度も入社日について確認されていたにもかかわらず、内定後に入社日の延期を申し出るような場合には、内定を取り消されることもあります。

また、会社側が会社都合で入社日を遅らせる場合には、採用延期とみなされ経営状況や企業姿勢を疑われるほか、入社予定日以降の賃金を請求されれば支払わなければならないリスクがあります。

対面・電話連絡だけでなく文面に残す

入社日の変更については、対面や電話での口頭連絡のみでは、言った言わないの水掛け論のトラブルになりかねないため、必ずやり取りを文書に残しておくようにしましょう。

口頭で一度説明した場合には、メールなどの文面で双方に認識の相違がないか改めて確認することが大切です。

 

入社日と社会保険・雇用保険の関係性


入社日と社会保険・雇用保険の関係性について紹介します。押さえておくべきポイントは下記3つです。

  • 基本的には入社日が資格取得日
  • 入社日が土日の場合
  • 保険の未加入期間が発生する可能性も

基本的には入社日が資格取得日

社会保険や雇用保険の資格取得日は、原則として「企業が該当する社員を雇い入れた日(雇用関係に入った最初の日)」とすることになっています。

企業と応募者との雇用契約に基づくと、雇い入れた日は、雇用開始日=入社日とみなすのが自然なため、基本的には入社日が資格取得日となります。

入社日が土日の場合

社会保険や雇用保険は、入社日(雇用開始日)が土日や祝日であっても、問題なく資格取得日として手続きが行えます。

そのため、例えば入社日4月1日が土曜日で、最初の出社日が4月3日となり、入社日と勤務を開始した日とが一致しない場合でも、資格取得日は入社日の4月1日になります。

資格取得日はあくまで雇用関係に入った日をベースにする点に注意しましょう。

保険の未加入期間が発生する可能性も

転職をする場合、社会保険や雇用保険の未加入期間が発生する可能性もあります。

社員の社会保険や雇用保険の加入手続きを行うのは会社です。転職をする場合、前の会社で一度保険の資格を失い、その後、新しい会社で新たに保険の資格取得の申請を行います。

転職で、前職を3月31日で退職し、新しい会社に4月7日に入社する場合は、3月31日に一旦保険の資格を失い、4月7日に新しい会社で改めて保険の資格を取得することになります。

そうすると、退社から入社までの間の4月1日から4月6日まで保険の未加入期間が生じます。この期間は保険の適用を受けられません。

 

採用日・入社日設定にはリスクもあるため正しく管理を

採用日とは企業と内定者とで雇用契約を締結した日です。雇用開始日である入社日とは異なります。

採用日は雇用契約を締結すれば自然と決まりますが、入社日は企業と内定者との間で自由に決められます。ただし、その後変更しなくてもよいように設定することが大切です。

入社日の変更にはリスクが伴います。内定者にとっては不採用となるリスクがあり、会社側が自己都合で変更する場合には、社会的信用を失う恐れがあります。

入社日の設定や変更に不安がある場合には、新卒採用支援サービスkimeteの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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