採用活動が思うように進まず、自社に最適な人材を見つけるにはどうすれば良いかと悩んではいませんか?RPO(採用代行)は、採用業務を外部に委託することで、採用の質を向上させる効果的な手段です。

この記事では、RPOの詳細内容やメリット・デメリット、費用相場、具体的な活用事例を紹介します。採用戦略の改善に役立つ実践的な知識が満載です。RPOを活用して、効率的に優秀な人材を確保しましょう。

RPO(採用代行)とは

RPO(採用代行)は、企業が採用プロセスを外部に委託することで、効率的に質の高い人材を確保する手法です。ここでは、RPOの意味やBPOとの違い、採用以外でのRPOの活用例など、基本的な情報を解説します。

RPOの意味

RPOは「Recruitment Process Outsourcing」の略で、日本語では採用代行を意味します。企業が採用プロセスの一部または全体を外部の専門業者に委託することを指す言葉です。

RPO(採用代行)を導入すると、企業は採用にかかる時間とコストを削減し、重要な業務に集中できるようになります。さらに、RPOを通じて、専門的な採用ノウハウや広範な人材ネットワークを活用できるため、採用の質を向上させることが期待できます。

RPOとBPOの違い

BPOは「Business Process Outsourcing」の略で、企業が特定のビジネス機能を外部に委託することを指します。例えば、カスタマーサービスや経理・給与業務、データ処理などが挙げられます。

一方、RPOは採用プロセスのアウトソーシングに特化しています。BPOが幅広い業務プロセスを対象とするのに対し、RPOは人材採用に特化している点が主な違いです。

採用以外におけるRPO

RPOは、採用代行以外にも、IT分野での災害対策としても使用される用語です。IT分野でのRPOは「Recovery Point Objective」の略で、日本語では目標復旧時点を意味します。

RPO(目標復旧時点)は、データのバックアップに関連する概念で、システム障害時にデータをどの時点まで復旧させるかを定義する指標です。データ損失を最小限に抑えるため、災害対策計画の一環として設定されます。

RPOが活用できる業務内容

RPOは、採用業務の効率化と質の向上を目指す企業にとって強力なツールです。ここでは、RPOが活用できる具体的な業務内容を解説します。採用計画や企画の立案、求人の母集団形成、書類選考・管理、面接、内定者のサポートに至るまで、RPOがどのように役立つかを紹介します。

採用計画・企画の立案

RPOが活用できる業務の1つに、採用計画や企画の立案があります。RPOでは、採用に精通したコンサルタントが企業の採用担当者に代わり、企業のニーズに基づいた採用戦略を策定し、必要な計画を立てます。

さらに、策定する採用計画や企画に支障が出ないよう、業務フローを詳細に確認し、潜在的な問題を事前に特定してから計画を構築します。RPOを活用することで、計画の実行段階でのトラブルを最小限に抑え、採用プロセス全体がスムーズに進行するでしょう。

求人の母集団形成

RPOは、求人の母集団形成においても有効です。求人広告の作成・掲載やオウンドメディアの運営、人材紹介会社との連携など、さまざまな手法を活用し、応募者を増やすための施策を代行できます。

RPOを手掛ける企業は、母集団形成のノウハウを豊富に持っており、効果的に幅広い候補者を集める施策を検討できます。その結果、企業は質の高い人材プールを確保しやすくなり、自社とマッチした人材を迅速に選定できるようになるでしょう。

書類選考・管理

RPOは、応募者の個人情報が含まれた書類の管理や、書類のスクリーニングの代行にも活用できます。書類選考は採用プロセスの中でも最も重要なステップの1つです。RPOを活用すると、応募者の書類を効率的に整理し、プロの視線で適格な人材を迅速に選別できます。

さらに、場合によっては応募者への合否連絡も代行し、採用プロセス全体のスムーズな進行を支援します。また、企業は書類管理といった煩雑な作業から解放され、重要な業務に集中できるでしょう。

面接

RPOは、面接に関する業務も代行できます。面接の日程調整や応募者とのメッセージのやり取り、さらに面接そのものの実施も可能です。ただし、面接そのものを代行してもらう場合には、志望動機の読み違えなどが起こらないよう、注意が必要です。

また、自社の企業文化・価値観をしっかり理解してもらうよう、RPOサービス業者との事前の綿密な打ち合わせが重要です。RPOを上手に活用できれば、企業はリソースを節約しつつ、効果的な採用活動を実現できるでしょう。

内定者のサポート

内定者のサポート業務においても、RPOは役立ちます。内定後、入社までに辞退者が出ないよう、内定者に対して定期的な連絡や業務内容の詳細説明を行い、企業とのつながりを強化することが重要です。

自社のみでこれらのフォローアップを行うと手間がかかりますが、RPOを活用すれば負担を軽減できます。これにより、内定者の安心感や満足度が向上し、入社までのプロセスが円滑に進行するでしょう。

RPOのメリット

RPOは、人事・採用活動の効率化に多くのメリットをもたらします。ここでは、人事担当者の負担軽減や採用活動の質向上、コスト削減の観点など、RPO導入による具体的な効果を解説します。

人事・採用活動の負担が軽減される

RPOを導入するまず最初のメリットは、人事・採用活動の負担軽減です。RPOをうまく活用すると、これまで自社で行っていた採用活動の工数を大幅に削減できます。

求人サイトの運営や面接書類の管理など、必ずしも自社で行う必要のない業務を外注することで、企業の人事部門はより重要な業務に集中できます。これにより、リソースの最適化が図られ、人事業務全体の効率化と生産性の向上が期待できるでしょう。

採用活動の質がアップする

採用活動の質をアップさせることも、RPO導入における大きなメリットの1つです。RPOサービス業者は豊富な経験と専門知識を持っており、自社では見つけにくい改善点を特定し、採用プロセスの最適化を提案します。

場合によっては、採用活動のアドバイスを得られたり、より効果的な採用戦略の構築に寄与したりすることもあります。RPOの活用により外部の視点を得ると、これまでの採用活動とは異なる新たな発見や改善点を見出し、採用の質の向上が期待できるでしょう。

コストの削減ができる

RPOの利用は外部委託費が増えるように思うかもしれませんが、実際にはコスト削減につながることが多いです。採用担当者の数が確保できていなかったり、社内に採用ノウハウが不足していたりすると、効率的な採用業務が難しくなります。

RPOサービス業者は専門的なノウハウを持っているため、無駄なコストを削減し、採用プロセスの効率化に寄与します。RPOの活用は、企業にとって費用対効果の高い選択肢といえるでしょう​。

RPOのデメリット

RPOには多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、採用ノウハウが社内に蓄積しづらい点や外部依存によって工数が増加する可能性など、RPOの注意点を解説します。適切なRPOの導入判断に役立てて下さい。

採用ノウハウが社内に蓄積しづらい

RPOは外部の専門知識を効率的に得られる一方で、採用ノウハウが社内に蓄積しにくいデメリットもあります。特に、採用活動の一部をRPOサービス業者に任せたままで、担当者とのコミュニケーションが取れていないと、一連の採用活動で得た経験や事例を社内に取り込む機会が減少します。

このため、社内の採用担当者が成長する機会を逃し、長期的には採用活動の自律性が損なわれる可能性があります。効果的なRPOの利用には、サービス業者との密なコミュニケーションと知識共有が不可欠です​。

工数が増加する可能性がある

RPOは、計画的に利用しなければ、工数が増加する可能性もあります。どのような採用業務にRPOを利用するかを事前に明確化していないと、求めていた人材を獲得できず、採用プロセスが複雑化する恐れがあります。業務フローの確認や定期レポートのチェックなどを通じて、RPOサービス業者と現状をこまめに共有することが重要です。

また、情報漏えいの可能性を最小限にするために、セキュリティが整った企業へ依頼することが大切ですが、そのために手間がかかることも起こり得ます。これらの点を考慮し、適切な管理とコミュニケーションを維持することが重要です​ 。

RPOの費用相場

RPOの導入には費用がかかりますが、その費用形態はさまざまです。ここでは、RPOの費用相場について、「定額制」「成果報酬制」「従量課金制」の3つの主要な料金体系を取り上げ、解説します。自社のニーズに最適な費用プランを選ぶ際の参考にして下さい。

定額制

RPOの定額制は、事前に決められたサービスの範囲内で月額固定料金を支払うモデルです。費用相場は、月額5万円から100万円程度と幅広く、具体的な料金は委託する業務範囲や内容によって異なります。

定額制のメリットは、コスト管理がしやすい点です。オプションを追加しない限り追加料金が発生しないため、予算を決めて委託したい企業や、任せたい業務が多い企業におすすめします。ただし、依頼する業務量が少なくても料金は変わらないため、事前に委託内容をよく打ち合わせしておくと良いでしょう。

成果報酬制

RPOの成果報酬制は、採用が成功した場合にのみ費用が発生するモデルです。具体的な費用は、採用したポジションや業種、必要な採用人数によって異なりますが、一般的な相場は以下の通りです。

  • 採用決定時に、年間給与の20%〜35%を報酬として支払う
  • 面接実施時に、1回3万円〜5万円程度を支払う

成果報酬制のメリットは、無駄なコストを抑えられる点です。ただし、採用決定後にはそれなりの費用がかかります。求める人材像が明確な企業にはおすすめの形態です。

従量課金制

RPOの従量課金制は、業務量に応じて料金が発生するモデルです。具体的な費用は依頼する業務内容によって異なりますが、以下が一般的な相場です。

  • 面接日時設定:月額5万円~
  • 面接実施:1回1万円~
  • 評価シートの作成:1回3千円~
  • 応募者への合否連絡:月額2万円~

従量課金制のメリットは、必要な業務のみを柔軟に依頼できる点にあります。業務量が増減する場合でも、費用をコントロールしやすいのが特徴です​ 。

RPOの導入がおすすめの企業

RPOは、特に採用戦略の立案が難しい企業や、人材をなかなか採用できない企業におすすめの手法です。ここでは、RPOの導入が効果的な企業の特徴とその理由について解説します。RPOが自社に適しているかの判断に役立てて下さい。

採用戦略の立案が難しい

採用戦略の立案が難しい企業にとって、RPOは有効な解決策となります。特に、採用以外の業務で手一杯になっており、採用戦略に必要なリソースを確保できない企業には、RPOはおすすめです。

RPOサービス業者は、専門知識と豊富な経験から、企業のニーズに応じた効果的な採用戦略を構築します。企業は限られたリソースを効率的に活用し、優秀な人材を確保できるでしょう。

欲しい人材をなかなか採用できない

欲しい人材をなかなか採用できない企業にとっても、RPOの活用は効果的です。採用活動を行っても、自社にマッチした人材を思うように採用できない場合、RPOを利用すると広範なネットワークから企業のニーズに合った候補者を見つけ出せると期待できます。

また、RPOは採用プロセスの最適化にも役立ちます。採用にかかる時間と労力を大幅に削減し、求める人材を効率的に採用できるようサポートしてくれるでしょう​ 。

RPOの事例

最後に、RPOの具体的な導入事例を紹介します。ここでは、エンジニア採用と新卒採用に焦点を当てて、それぞれの成功事例を解説します。RPOを実際に導入することでどのような効果が得られるかを理解し、自社の採用戦略に役立てましょう。

エンジニア採用

あるIT企業では、エンジニア採用にRPOを活用することで、大幅な改善を実現しました。この企業は自社での採用活動がうまくいかず、優秀なエンジニアを確保できない状況に直面していました。RPOを導入した結果、専門的なリクルーターが幅広いネットワークを駆使して、短期間で複数の有能なエンジニアを採用するに至りました。

この事例から、RPOは特にエンジニアのような専門職の採用において、企業の課題を効果的に解決する手段であることが分かります。

新卒採用

ある中小企業では、限られたリソースで大学訪問やイベント参加が難しく、優秀な新卒人材の確保に苦労していました。RPOを導入した結果、大学との連携や採用イベントの集客・運営の支援が受けられ、中小企業の課題である学生への認知度が向上し、多くの優秀な新卒人材を確保できました。

また、RPOのネットワークとノウハウを活用することで、採用プロセス全体が効率化され、人事担当者の負担も軽減されました​​。この事例から、新卒採用におけるRPOの導入は、企業の採用活動を大幅に改善し、質の高い人材確保につながることが示されています。

まとめ

RPO(採用代行)の活用は、企業の限られたリソースを効率的に活用し、優秀な人材を確保する手法の1つです。この記事では、RPOの業務内容やメリット・デメリット、具体的な活用事例を解説しました。RPOの導入を前向きに検討する一助となれば幸いです。

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