接点を持った人たちに、より深く自社を知ってもらうために欠かせない会社紹介。企業の魅力を伝え、信頼性を向上させ、認知を拡大するなど、さまざまな効果が期待できます。

しかし、具体的な会社紹介の作り方や盛り込むべき内容がわからず、効果的な会社紹介を作ることに苦戦しているご担当者もいるのではないでしょうか。

本記事では、会社紹介を作る目的や盛り込むべき要素、作成する際の流れなどを解説します。会社をより魅力的に訴求する動画や資料を作成するポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

会社紹介の目的

会社紹介の目的は、掲載場所によって変わります。会社紹介を記載する場所としてコーポレートサイトと採用サイトが代表的ですが、それぞれターゲットや訴求したいポイントなどが明確に異なるためです。

コーポレートサイトの会社紹介の目的

コーポレートサイトでは、自社を知ってもらい、信頼性を高め、魅力を感じてもらうことが重要です。コーポレートサイトにおける会社紹介の目的を以下3つの観点から解説します。

  • 企業の信頼性向上
  • 営業・サービス認知拡大
  • 投資家や関係者への魅力訴求

企業の信頼性向上

コーポレートサイトにおける会社紹介の目的の1つは、企業の信頼性向上です。

会社概要などのハード情報を明記することで定量的な信頼を、価値観・ビジョン・ミッションなどのソフト情報などで情緒的な信頼や共感を得られる可能性があります。

両面から「この会社なら信頼できる」と感じてもらえれば、会社紹介が企業の利益にもポジティブな影響を与えるでしょう。

営業・サービス認知拡大

営業・サービス認知の拡大も、コーポレートサイトにおける会社紹介の目的です。

何らかのきっかけで自社を知ってくれた人に対して、どのような商品・サービスを提供している会社なのかをより深く理解してもらう必要があります。

あわせて、商品やサービスにかける想いやコンセプトなども訴求すると、信頼性の向上やファンの増加も期待できるでしょう。

投資家や関係者への魅力訴求

投資家向けに発信するIR情報や関係者向けに発信するCSR情報など、会社のリアルタイムな情報や魅力を訴求する目的もあります。

自社の顧客が魅力を感じるポイントと、ステークホルダーが魅力を感じるポイントは異なります。自社の協力者である投資家・関係者に対しても「この会社をサポートしたい」と思ってもらえる会社紹介にすることが重要です。

採用サイトの会社紹介の目的

採用サイトにおける会社紹介の目的は、採用ターゲットに魅力を感じてもらうこと、選考に応募してもらうことです。

近年は、給料や福利厚生などの条件面よりも、共感やカルチャーフィットを重視する求職者が増えています。具体的には、その企業の価値観や考え方に共感できるか、文化や風土に適応できるか、快適な会社生活を送れそうかといった基準です。

求職者が知りたいであろう情報を把握したうえで、透明性の高い適切な情報発信を心がけましょう。

 

会社紹介に必要な要素

会社紹介に必要な要素、網羅すべき情報は以下の6つです。

  • 会社概要とMVV・沿革
  • 経営メンバーと組織図
  • 事業紹介・サービス内容
  • 企業文化・インタビュー・求人情報
  • 社会貢献や環境などCSRの取り組み
  • 株主・投資家向けIR情報

ここからは各要素のコンテンツ例や記載内容を解説します。

会社概要とMVV・沿革

冒頭で「自社はどんな会社なのか」をさまざまな角度から簡潔に伝える必要があります。

具体的には、会社の基本情報である会社概要、どのような価値観・想いで運営している会社なのかを伝えるためのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)、どのような歴史があるのかを示す沿革です。

たとえば、以下のようなコンテンツが考えられます。

【MVV】
・企業理念やミッション
・設定している主要なマイルストーン
・コーポレートアイデンティティ

【沿革】
・創業の背景と歴史
・会社の変遷と現在までのトピックス

このなかでも特に重要なのはMVVのコンテンツです。自社が叶えたい夢や実現したいこと、価値観に共感してもらえれば興味を持たれやすいためです。

経営メンバーと組織図

「どのような人が経営しているのか」を紹介するために、経営メンバーと組織図を記載しましょう。具体的には以下のようなコンテンツが該当します。

・代表挨拶
・取締役会と役員の紹介
・組織図と各部門の紹介
・社員の職位や役割
・人事戦略・社員育成・評価制度

特に代表挨拶は経営理念やビジョンにかける想いを語ること、どの立場の人が見ても理解・共感しやすい内容にすることが重要です。

採用サイトの場合は、人事戦略・社員育成・評価制度などへの取り組みが特に注目される傾向にあり、選考参加や内定承諾などの意思決定に大きな影響を与えます。

そのほか、会社として特に力を入れていることやユニークな制度などがあれば他社との差別化につながるため、積極的に記載しましょう。

事業紹介・サービス内容

続いて、「具体的に何を提供している会社なのか」を知ってもらうために、事業やサービス内容を紹介しましょう。たとえば、以下のようなコンテンツです。

・主要な事業分野・領域
・提供中の製品やサービスの概要
・自社の強みや他社と異なるポイント
・新規事業やグローバルへの取り組み
・主要顧客とパートナー
・市場でのポジションと競合分析

閲覧するユーザーによって、何をどの程度知りたいかが大きく異なります。そのため、簡潔にまとめたメインページを主軸として、より詳しく知りたい人向けの詳細ページを別途用意するのが一般的です。

既に認知されている製品・サービスの場合は、自社独自の強みや他社との差別化ポイントが特に注目される傾向にあります。

企業文化・インタビュー・求人情報

企業文化・インタビュー・求人情報などを掲載している企業も少なくありません。具体的には以下のようなコンテンツです。

・社員の価値観と行動指針
・ダイバーシティとインクルージョン
・ワークライフバランスの促進や取り組み
・エンゲージメントや社内イベント
・既存社員のインタビュー
・求人情報

会社のカラーなどにもよりますが、そこで働く人々や仕事風景が見えると、一気に親近感が増し、共感を得やすくなります。

特に採用サイトでは求職者の関心が高い必須のコンテンツといえます。好感を持てる内容であれば、さまざまなシーンでポジティブな影響が期待できるため、コーポレートサイトにも積極的に掲載しましょう。

社会貢献や環境などCSRの取り組み

企業として社会貢献や環境への配慮など、CSRの取り組みを行っている場合は会社紹介に記載しておきましょう。たとえば、以下のような内容が該当します。

・CSR活動と社会貢献
・環境保護と持続可能な経営
・倫理規範とコンプライアンス
・地域コミュニティとの連携

特に、自社が商品やサービスを製造・提供している領域において、どのような社会的責任を果たしているかは重要な要素であり、企業としての信頼性向上に繋がります。

活動・情報としての一定の水準を満たすためにも、国際規格「ISO26000」に定められている7つの原則を元に、情報の記載・発信を行うと良いでしょう。

株主・投資家向けIR情報

上場企業の場合は、直接的なステークホルダーである株主・投資家向けのIR情報も記載しましょう。具体的には以下のようなコンテンツが挙げられます。

・財務情報の概要
・株式情報や株主への還元方針
・投資家向けイベントや各種発表
・ガバナンスや内部統制情報

事前に公表していた事業計画や収支計画に対する報告、事業の進捗などをできる限りリアルタイムで発信することで、企業としての透明性や誠実性をアピールできるでしょう。

 

会社紹介動画・プレゼン資料・パンフレットの作り方

会社紹介は公式サイトへの掲載とあわせて、紹介動画・プレゼン資料(パワーポイント)・パンフレットなどと併用するとさまざまなシーンで役立ちます。具体的な作り方は以下の6STEPです。

  • STEP1.会社の特徴を列挙する
  • STEP2.競合サイトの訴求を調べる
  • STEP3.競合に対する強み・弱みを整理する
  • STEP4.メッセージストーリー・骨子を構成する
  • STEP5.アウトラインに沿ってテキストにまとめる
  • STEP6.動画やプレゼン資料などデザインに落とし込む

STEP1.会社の特徴を列挙する

まずは会社の特徴をなるべく多く列挙してみましょう。アピールポイントをリストアップすることで、自覚していなかった強みや見落としていたポイントが見つかる可能性があるためです。

どこに掲載するかにもよりますが、会社紹介はさまざまな立場の人が閲覧する可能性があります。自社が考える方向からだけではなく、できる限り多角的な視点で特徴を列挙し、見る人に合わせたコンテンツを用意するのが理想です。

STEP2.競合サイトの訴求を調べる

競合サイトがどのような訴求をしているのかを調べてみることも重要です。どのようなフレーズで、どのような面を、どのように見せているかなど、参考になる点が多いためです。

ここでいう競合とは、事業やサービスにおける競合他社だけではなく、コーポレートブランド上の競合や採用活動における競合も含まれます。

より良い会社紹介を作るために、できるだけ多くの競合サイトを見比べて情報を集めましょう。

STEP3.競合に対する強み・弱みを整理する

続いて、競合に対する自社ならではの強み・弱みを整理しましょう。広く認知されている製品・サービスの場合は、競合との違いが注目される点であり、アピールポイントでもあるためです。

会社紹介では主に強みを訴求していくことになるため、情報を整理しつつ盛り込む内容をピックアップしていきましょう。また、弱みを整理することで新たな打ち出し方やアイデアが浮かぶ場合もあるため、あわせて整理してみるのがおすすめです。

STEP4.メッセージストーリー・骨子を構成する

情報を精査したら、会社紹介全体を通して伝えたいメッセージや具体的なストーリー、骨子などを構成していきましょう。

最も伝えたいメッセージは何か、どのような伝え方が最適か、コンテンツはどのように分けるかなど、掲載する場所と見る人の目線に合わせた内容にすることが重要です。

ここまでに収集・整理してきた情報を元に、役割・目的を果たすことを念頭に置きながら、会社紹介の全体像を形にしていきましょう。

STEP5.アウトラインに沿ってテキストにまとめる

続いて、STEP4で作成した骨子・アウトラインに沿って、テキストにまとめていきます。最初は話し言葉や細切れのフレーズでも良いので、文字に起こしていきましょう。

テキスト化に苦戦する場合は、読み手のペルソナを設定して、その人物が抱くであろう疑問や知りたいことなどを会話で解消するイメージで進めていくとスムーズに言語化できます。

書き出した会話やフレーズをまとめ、言い回しや順番を入れ替えるなどして文章を整形していきましょう。

STEP6.動画やプレゼン資料などデザインに落とし込む

STEP5で言語化したものを、動画やプレゼン資料などのデザインに落とし込んでいきましょう。テキストよりは画像、画像よりは動画の方が訴求力が高く、より魅力的な会社紹介になるためです。

ここまで手順に沿って言語化ができていると、デザインの段階ではズレが生じづらく、イメージにあったものを制作できるでしょう。

 

会社紹介動画作成のポイント

会社紹介動画を作成する際のポイントは以下の通りです。

・動画の活用場面を明確にする
・動画作成の目的を常に念頭に置く
・会社や商品のブランドイメージに合わせる
・音声の有無に関わらず伝わる内容を心がける

動画作成では、クオリティにこだわるあまり、本来の目的や重要なことを見失いがちです。誰に向けたものなのか、何を伝えたいのかなど、動画作成の根本となる要素を見失うと、目的からズレたものになりかねません。

また、使う場面によって音声が再生されるかどうかも想定する必要があります。イベントで使用する動画なら音声ありきで良いですが、URLやファイルから閲覧してもらう動画の場合はサイレントで再生されることも考えられるためです。

 

会社紹介プレゼン資料作成のポイント

会社紹介プレゼン資料は、配布用とプレゼン用で分ける必要があります。

プレゼン用のスライドはその場で説明しながら見せることを想定しているため、テキストが少なく画像や映像の割合を多くする傾向にあります。そのため、そのまま配布用にすると言葉足らずになってしまい、重要なことが伝わらない恐れがあるためです。

また、プレゼン用はその場に社員がいるためその場で対応できますが、配布用の資料には別途問い合わせ先を記載する必要があります。

このように、伝わるプレゼン資料を作るためには、その資料を見る人・読む人の目線でシチュエーションを想像し、テキストや画像の量などを調整することが大切です。

 

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会社紹介の目的は、企業の信頼性向上・サービス認知拡大・ステークホルダーへの魅力訴求など多岐にわたります。

立場の異なるさまざまな人たちに会社を知ってもらうためには、会社概要・経営陣や組織・事業やサービス紹介・企業文化・CSRなど幅広い情報を効果的に網羅する必要があります。

ベースとなる会社紹介ができあがったら、動画やプレゼン資料などに横展開していくことで、営業や採用など幅広いシーンで活用できるでしょう。

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