就活生に向けて会社説明会を行いたいものの、どのように行えば効果的に就活生の心を掴めるのか頭を悩ませる方も少なくないでしょう。
そこでこの記事では、就活生を惹きつける会社説明会にするための極意について解説します。会社説明会の種類やメリット、必要な準備、また就活生に選ばれる企業の特徴や効果的なプレゼン方法についても解説します。
会社説明会を成功に導くためにも、ぜひ最後まで目を通してみてください。
会社説明会とは
会社説明会とは、就職活動をしている学生に対して自社の経営理念や事業内容など、自社のことを知ってもらうために開催する説明会のことです。
会社説明会には、企業が自社に学生を招いて独自に行う「個別説明会」と、複数の企業と合同で一つの会場で行う「合同説明会」とがあります。
会社説明会では、企業の沿革や事業内容などの基本的な情報を説明するほか、先輩社員に質問できる時間を設けているケースもあります。
会社説明会の目的
会社説明会の目的は、主に下記の2つです。
- 自社のことを知り、自社に興味を持つ就活生を増やすこと
- 自社を正しく理解したうえで選考に進んでもらい、ミスマッチを防ぐこと
採用活動においては、自社の採用候補となる人材集団(母集団)の形成が不可欠です。いい人材を確保するためにも、会社説明会に参加した多くの就活生に、自社を応募対象としてもらうことが大切といえるでしょう。
また、会社説明会を通じて就活生に、自社の経営理念や業務内容、社風などについて正確に把握してもらうことも重要です。自社のことを正しく知ってもらうことで、採用のミスマッチも防げるでしょう。
会社説明会の種類
会社説明会と一口にいっても、大きく分けて、合同説明会と個別説明会の2種類があります。また、それぞれWeb/オンラインで開催する形式と、対面/オフラインで開催する形式に分かれます。
それぞれの特徴やメリット・デメリットは次の通りです。
合同説明会
合同説明会とは、多くの企業が一つの会場に集まって合同で行う企業説明会のことです。会場内に企業ごとのブースが設けられ、ブース内で企業ごとに会社説明を行ったり、先輩社員と話す機会を設けたりします。また、会場内に設置されたステージで、セミナー形式で会社説明を行うケースもあります。
合同説明会のメリットは、多くの企業を目当てに多くの学生が集まるため、集客がしやすいことです。また、同業他社の動向が分かることもメリットといえるでしょう。
合同説明会のデメリットは、有名企業でない場合、就活生がブースに集まりにくく、「人気のない企業」と思われてしまう傾向があることです。また、スペースに限りがあるため、直接接する就活生の数も限られてしまう点もデメリットです。
個別説明会
個別説明会は、企業が単独で行う企業説明会のことです。多くの場合、自社のオフィスビルで実施されますが、イベント会場を借りて行われるケースもあります。
個別説明会のメリットは、自社一社だけについて、時間をかけてしっかりと就活生に情報を伝えられることです。質疑応答など就活生と対話・交流する時間も多く確保できます。
個別説明会のデメリットは、自社の知名度が高くない場合、就活生を集めるのが難しいことです。また、時間をかけられる反面、魅力あるプレゼンができないと、つまらないと思われ自社の評価が下がる危険性もあります。
Web/オンライン形式と対面形式の違い
最近は、就職活動の多様化や新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、Webやオンライン形式での説明会も増えています。
Web/オンライン形式の説明会には、ライブ配信によるリアルタイムでの説明会と、録画した動画を配信する説明会の二種類があります。
Web/オンライン形式と対面形式の違いとしては、Web/オンライン形式の場合、会場の確保が不要なことです。会場を確保するコストがかからないうえ、会場に行かずにすむため、採用担当者・就活生双方にとって移動の負担がありません。
また、録画配信型の企業説明会では、何度も説明会を開催せずに多くの就活生に見てもらえる点もメリットです。
一方、Web/オンライン形式のデメリットは、対面と比較すると、お互いの様子が分かりにくく、コミュニケーションが難しい点です。また、企業の雰囲気が伝わりにくく、一方的な説明になってしまい興味関心を引きにくいという欠点もあります。
会社説明会のメリット
企業にとって会社説明会を行うメリットは次の4点といえるでしょう。
- 自社をよく知ってもらえる
- 就活生の志望度を上げる機会になる
- 就活生のリアルな雰囲気や特性を知ることができる
- 直接的な選考の機会にもなる
会社説明会の何より大きなメリットは、ホームページや資料では伝えきれない自社のことをよく知ってもらえることです。自社を知ってもらい、自社で働くイメージを持ってもらうことで、就活生の自社への志望度を高めることも可能です。
また、反対に就活生を直接目の当たりにすることで、就活生のリアルな反応や就活生の雰囲気・特性などを把握することもできます。気になる学生がいれば積極的にアプローチするなど、応募や選考につなげる機会にもなります。
会社説明会の実施準備
会社説明会を失敗なくスムーズに進めるためにも準備が大切です。会社説明会の実施に向けての準備手順は以下の通りです。
- 企業理解・学生理解を深める
- 競合比較した際の強みが何か絞り込む
- 自社の魅力が伝わる内容に落とし込み練習する
01.企業理解・学生理解を深める
会社説明会で就活生に自社をよく理解してもらうためには、準備段階で、企業理解と学生理解を深めておくことが大切です。
学生に伝えたい内容を整理するためにも、まずは自社がどのような会社であるかということをしっかりと把握し明確にしておきましょう。
また、一方で、学生がどのようなことを知りたがっているかというニーズを十分に理解することも大切です。相手のニーズを踏まえてプレゼンをしないと、相手にうまく伝わらないどころか、つまらないなどの悪い印象を与えてしまう恐れもあります。
学生は複数の企業を見比べています。多くの企業の中から自社を選んで説明会に参加してもらうためにも、学生の聞きたいと思うようなコンテンツを用意しておくようにしましょう。
02.競合比較した際の強みが何か絞り込む
会社説明会の準備段階で、自社と競合他社とを比較した場合の強みについて、しっかり把握しておくことも大切です。
就活生は、さまざまな企業を見比べて就職先を考えています。企業の強みは応募を検討するうえで最も知りたいことの一つといえます。自社の強みは、会社説明会でも興味を持って聞いてもらえるうえ、応募者を増やすうえでも効果的なPRポイントとなるでしょう。
また、自社の何がすごいのかという強みを明確にしておくことで、説明会でプレゼンする内容もクリアになり、説明会の魅力付けも可能となります。
03.自社の魅力が伝わる内容に落とし込み練習する
先述の1.2で把握した内容について、魅力がうまく伝わるプログラムやプレゼンの形に落とし込みましょう。そして、実際の説明会を想定して司会進行やプレゼンなどの練習をすることが大切です。
なぜなら、進行やプレゼンがスムーズな方が、就活生に与える印象もよくなり、就活生の満足度も高まるからです。反対にプレゼンが下手だと、就活生にマイナスの印象を与えてしまうこともあります。
考えた内容がよくてもうまく伝わらなければ、就活生の関心を引くことができないため、リハーサルなどの練習をしておくことがおすすめです。
会社説明会の服装・マナー
会社説明会の主催者側の服装・マナーは、企業カラーをベースにしつつ、自社のクライアントを迎える際と同様の服装・マナーとすることがおすすめです。
就活生は、会社説明会の場で、その会社の社員の服装を見て、会社の雰囲気を推測します。就活生が企業で働く姿をイメージしやすいように、実際の業務で多くの人が着用する服装やスタイルをベースにするとよいでしょう。
スーツ着用が原則の場合はスーツで、服装自由で私服がOKな場合はオフィスカジュアルなどがおすすめです。大切なのは、企業が服装やマナーで就活生を判断するように、就活生も企業側の服装やマナーを見ていることを忘れないことです。
お客様を迎えるつもりで、会社説明会の服装やマナーを考えるとよいでしょう。
会社説明会での質問準備
会社説明会では、就活生からさまざまな質問が寄せられることが少なくありません。質問にスムーズに応えられると、就活生の多くの質問に応えることができ、理解を深めてもらえます。また、よい印象を持ってもらうことも可能です。
就活生から寄せられる質問のポイントとしては、下記のようなものが挙げられます。あらかじめ確認して回答を準備しておくことがおすすめです。
- 業務や商品、サービス内容について
例:「御社の事業の中で現在最も力を入れているものは?」 - 社風や働き方について
例:「社風として特徴的な点は?」「社員の1日のスケジュールはどんな風か?」 - 求める人物像について
例:「社内で最も活躍している人とはどんな人?」「仕事上役立つスキルは?」 - 入社後のキャリアについて
例:「どんなキャリアを積んでいる人がいるか?」 - 福利厚生・制度について
例:「有給取得率や育休取得率はどれくらい?」「資格取得の支援制度はある?」
会社説明会で学生に選ばれる企業の特徴
会社説明会で学生に選ばれる企業には次のような特徴があります。
- ビジョンや採用コンセプトが明確になっている
- 資料やプレゼンテーションがわかりやすい
- 入社後のキャリアビジョンをイメージしやすい
- 社員との交流や座談会で企業文化をうまく伝えている
具体的な内容について以下で紹介します。
ビジョンや採用コンセプトが明確になっている
会社のビジョンや採用コンセプトが明確であると、就活生に興味を持ってもらいやすいといえます。
学生は、就職先の企業がつぶれないかどうかなど、企業の将来性も気にしています。そのため、会社のビジョンをはっきり伝えて、就活生の不安を払拭することが大切です。会社のビジョンを伝えることで将来性を感じてもらい、興味を引くことができます。
また求める人物像などの採用コンセプトをしっかり伝えることで、就活生は自分がその会社に合致した人材かどうか具体的に考えることができます。企業に応募するかどうかをリアルに考えられるため、就活生の会社説明会への満足度も高まるでしょう。
資料やプレゼンテーションがわかりやすい
資料やプレゼンテーションがわかりやすい企業も、就活生にとって魅力ある企業と思われやすいといえます。
就活中の学生は多くの会社説明会に参加し、企業を見比べています。収集している情報が多いため、わかりにくいスライドやパワーポイント、話し方だと理解されにくく受け流されてしまう可能性もあります。プレゼンがわかりにくいと、就活生に、不満に思われたり、悪い印象を持たれたりすることも少なくありません。
多くの企業の中で、注目してもらい、記憶に留めてもらうためにも、学生の視点に立って内容・資料を見やすくわかりやすくすることが大切です。
入社後のキャリアビジョンをイメージしやすい
入社後のキャリアビジョンをイメージできる説明をする企業も、就活生によい印象を持ってもらいやすいといえます。
就活生は、会社説明会でその会社に入社すべきかどうか、理由を探っています。入社したいと思ってもらうためにも、入社後のキャリアビジョンを学生がイメージしやすいように具体的にすることが重要です。
例えば、自社ではどのようなキャリアステップが考えられるかという具体例を示したり、実際に社員がどのような活躍をしているかなどを具体的に示すとよいでしょう。
社員との交流や座談会で企業文化をうまく伝えている
社員との交流や座談会で企業文化をうまく伝えていることも、学生に選ばれる企業の特徴です。
企業文化や社風は、就活生にとっても知りたいポイントといえるでしょう。実際に企業に触れてみないと分からない部分でもあるため、会社説明会で就活生の興味を引く大きなポイントです。
一通り企業の説明が終わった後に、現場の社員と就活生との座談会の時間を設けたり、質疑応答の機会を設けたりして、職場の雰囲気を伝えるとよいでしょう。
会社説明会後は採用選考に案内する流れ
就活生に自社を応募先の一つとしてもらうためにも、会社説明会の最後に、本選考に応募する方法と選考方法を案内することが大切です。
例えば、募集要項や今後の採用フローなどの流れについて具体的に紹介するとよいでしょう。さらに、その時点で応募を希望する学生に簡単なフォームに入力してもらうなど、実際に次につながる手続きやステップを用意するのもよいでしょう。
会社説明会の効果を上げるためにも、会社説明会が終わった後は、しっかりと採用選考につながる流れを作ることが重要です。
会社説明会後の参加者フォローメール
会社説明会の後には、参加者にお礼メールなどのフォローメールを送るようにしましょう。
お礼メールはできれば会社説明会開催の当日中に送りましょう。お礼も速やかに行うと就活生から業務がスムーズでかつ丁寧な会社だと好印象に受け取ってもらえます。
なお、会社説明会の参加者に、今後自社を就職先の一つとして見てもらうためにも、その後も継続的にコミュニケーションをとる必要があります。
フォローメールでは、お礼を伝えるだけでなく、今後の選考予定を伝えていくことも大切です。また、説明会で聞き足りないことや追加の質問などがあれば気兼ねなくメールしてもらうように促すなど、質問のきっかけを与えたりするのもよいでしょう。
会社説明会を通じて企業の魅力付けをしよう
会社説明会は、就活生に自社に興味を持ってもらったり、自社を正しく理解したうえで選考に進んでもらうために行うものです。
会社説明会の最大のメリットは、就活生に自社を認知してもらい志望度を上げてもらえることです。ただし、メリットを活かすには、就活生にとって魅力あるプレゼン内容や実施方法にするなどの工夫が必要です。
もし、会社説明会の実施に不安がある場合には、新卒採用支援サービスkimeteの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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