人事採用担当に配属されたが、具体的に何をすれば良いか分からず悩んでいる人は、いるのではないでしょうか。採用計画を立て人材を採用するのが、人事採用担当の業務です。人事採用担当には、マーケティングや法令の知識などが求められます。

この記事では、人事採用担当の業務内容や必要な知識について解説します。人事採用担当に向いている人の特徴も紹介します。人事採用担当者を任命する際の参考にして下さい。

人事採用担当とは―人事部のなかの採用担当者

人事採用担当とは、人事部に所属し人材採用をメインに行う従業員のことです。近年、少子高齢化の影響で労働人口が減少し人材を獲得するのが難しくなってきているため、人事採用担当者は重要なポジションです。

応募者にとっては窓口となり、人事採用担当者を通して企業を見るため、人事採用担当は企業の顔と言えるでしょう。

よく似たものに人事担当がありますが、人事採用担当の方が専門的な部署です。人事担当は採用や人材育成、人員配置などを行いますが、人事採用担当は人材採用がメインの業務です。

人事採用担当の役割と仕事内容

人材採用を専門的に行うといっても、人事採用担当にはさまざまな業務があります。ここでは、人事採用担当の業務内容について解説します。

  • 採用計画をつくる
  • 採用スケジュールを決める
  • 求める人物像を明確にする
  • 採用活動の予算を決める
  • 求人媒体・採用手法を決める
  • 選考・面接を行う
  • 内定者をフォローする

人事採用担当の業務をこれから始める人は、確認しておきましょう。

採用計画をつくる

採用計画とは、採用活動の指針となる大まかな計画や目標のことです。採用計画には、予算や説明会・面接などのスケジュール、採用予定人数などを盛り込みます。各部署で不足する人員数をヒアリングし、新卒と中途採用の採用数を計画します。

経営理念や事業戦略に沿って自社の求める人物像を設定し、説明会や面接の大まかな日程を決めましょう。採用計画を立てずにやみくもに活動を行うと、自社に合わない人材を採用し、早期退職につながる場合があるため、注意が必要です。

採用スケジュールを決める

採用スケジュールとは、説明会の日程や採用人数などを具体的に決めることです。例えば、3月までに営業を10人採用すると決めたとします。求人広告の掲載は10月から行い、書類選考は11月から行うなどと具体的に決めることが、採用スケジュールです。

ただし新卒の場合では、会社説明会が3月からで、内定は10月になることが一般的です。しかし、中途採用では欠員が出た場合や新規事業を立ち上げる際など、その都度、募集を行うことが多いでしょう。

前年度にどのような採用スケジュールで活動しており、募集人員に対し何人採用できたのか確認して採用スケジュールを決めると活動しやすくなります。

求める人物像を明確にする

経営理念や事業戦略を達成させるために、自社の求める人物像を明確にすることが重要です。例えば、自ら考えチャレンジすることを経営理念を掲げる企業に、失敗することを恐れ指示待ちの人員はマッチしないでしょう。

ただし、部署によって求める人材が異なる場合があります。そのため、各部署が求める人材の人柄や資格の有無などを把握するために、部門長にどんな人材を求めているのかヒアリングすることが大切です。

例えば、営業部門では周りと協調し、コミュニケーションが取りやすい人物を求めるでしょう。また経理部門では、数字を扱うことに長けている人物を求める傾向にあります。求める人物像の全てを兼ね備えた人材が応募するかは不明であるため、自社が求める人物像の中で優先順位を確認しておくのが良いでしょう。

採用活動の予算を決める

人材採用には多額の費用がかかるため、自社の予算を確認しておきましょう。就職白書2020によると、1人採用するのにかかるコストは2019年度の新卒採用では93.6万円、中途採用では103.3万円です。

採用コストには、内部コストと外部コストがあります。内部コストは、自社内の業務で発生する費用のことです。具体的には、人事採用担当者の人件費や内定者の交通費などが内部コストです。

外部コストは求人媒体掲載費やパンフレットの作成代など、外部に支払う費用を指します。これまでの採用人数や採用費を確認し、使い過ぎないように適切に予算を設定することが重要です。

参考:就職白書2020|リクルート

求人媒体・採用手法を決める

予算内で自社に合う人材を必要数採用できる手法を決めることが、重要です。採用手法には転職サイトやリファラル採用、アルムナイ採用などがあります。リファラル採用とは、従業員から友人や知人を紹介してもらう手法のことです。

従業員から事前に応募者の人柄やスキルを確認できるため、自社に合うのか把握しやすいことが、リファラル採用のメリットです。アルムナイ採用とは一度退職した従業員を再雇用することで、仕事のやり方や企業文化を理解しているため、一から教育する必要がないことがメリットと言えます。

どの採用手法にもメリットとデメリットは存在するため、自社の求める人材が採用しやすい媒体を選ぶことが重要です。そのため、複数の手法を取り自社が求める人材の獲得を目指すのが良いでしょう。

なお、採用手法については関連記事の「採用手法の特徴・最新トレンドは?選び方やおすすめの手法も解説」にて詳しく解説しています。こちらもぜひ、ご覧下さい。

選考・面接を行う

採用選考には筆記試験や書類選考、面接などがあります。筆記試験では、社会人の基礎的な教養とストレス耐性や円滑なコミュニケーションなどの性格検査を通して、自社に合うかを選考します。

書類選考では応募者の経歴やスキル、意欲を確認し、面接では自社に合うか応募者1人ひとりを見定めましょう。また面接には、個人面接だけではなく集団面接もあります。前年度の選考方法を確認して、優秀な人材が獲得できるように選考内容をブラッシュアップしていくのが良いでしょう。

内定者をフォローする

内定辞退を防ぐために、内定者フォローは欠かせません。定期的に内定者に連絡を取り、先輩社員との懇談会や内定者研修などを通して入社意思を高めてもらうことが、内定者フォローの目的です。

新卒の場合、内定を出してから入社するまでに時間が空くことが多いため、内定者フォローが重要です。初めて社会人になるため、不安になる内定者もいるでしょう。内定者フォローを行うことで、内定者の不安が減ることが期待できます。

人事採用担当に必要なスキル

ここでは、人事採用担当に必要なスキルについて解説します。

  • コミュニケーション能力
  • 調整力
  • 柔軟性

人事採用担当を選任する際の参考にして下さい。

コミュニケーション能力

応募者が自社に合うか判断するにはコミュニケーションが大切であるため、人事採用担当者には欠かせないスキルです。応募者が自社に合うのか判断するには、面接の中で応募者の本音を引き出す会話術が重要です。

応募者の本音を引き出すには、人当たりがよく話しやすいことが大切です。話を良く聞いて共感する姿勢を示すと、応募者の本音が聞け、自社に合うのか判断しやすくなるでしょう。

また、社内で業務を円滑に行うためにはコミュニケーション能力が重要です。経営層と採用計画の打ち合わせをしたり必要な人員を各部署にヒアリングしたりする際にも、コミュニケーション力が必要です。

調整力

採用活動では多くの応募者と関わり筆記試験や面接のスケジュールを管理するため、調整力が求められます。面接日程の変更を依頼してくる応募者もいるため、応募者を待たせ過ぎないように採用選考をスムーズに進めるには、調整力が欠かせません。

また、社内外の人と関わることが多いため、調整力が求められます。人員が欲しい部署との交渉や求人広告業者とのやり取りなどが日々発生するため、優先順位に応じて仕事のスケジュールをうまく対応させることが大切です。

柔軟性

人材採用の市場は経済状況や応募者のニーズなどによって変化するため、人事採用担当には柔軟性が求められます。そのため人材を獲得するには、これまでの採用手法に固執しないことが大切です。

労働人口が減少し人材を獲得するのが難しくなれば、応募者に直接アプローチする採用手法を取り入れる場合もあるでしょう。また、面接官としても応募者からの質問に臨機応変に対応することも必要です。

人事採用担当に必要な知識

ここでは、人材採用担当に必要な知識について解説します。

  • マーケティングの知識
  • 法令の知識
  • 自社の知識

各項目を詳しく解説しますので、人事採用担当になる人は確認しておきましょう。

マーケティングの知識

応募者を集めるためには、マーケティングの知識が欠かせません。マーケティングとは、商品・サービスの認知から購入に至るまでのプロセスのことです。人材採用では、自社を知ってもらい応募し採用に至るまでの流れを指します。

マーケティングを取り入れるメリットは、応募者から自社が選ばれやすくなることです。自社の魅力をホームページやSNSなどで発信すれば、自社の価値観に共感する応募者を集められるでしょう。

少子高齢化で労働人口が減り、応募者の仕事に対する価値観は多様化しており、人材獲得の難易度は上がっています。マーケティングを活用して、自社の魅力を知ってもらうことが重要です。

法令の知識

法令の知識がないと、法令を無視した対応をしてしまい応募者とのトラブルに発展する場合があるため、人事採用担当には法令の知識が求められます。雇用対策法によって、募集を行う際に年齢制限を設けてはならないと定められています。

男女雇用機会均等法によって、性別を理由として募集や採用を制限することが禁止されていることを理解することが、重要です。法令を遵守しないでトラブルに発展した場合、口コミによって応募者が集まらなくなることも考えられるため、人事採用担当者には法令の知識が必要です。

自社の知識

自社の魅力を応募者に示せるように、自社が果たす社会的な役割や各部署の業務内容を把握することが、人事採用担当には必要です。自社の社会的な役割には自社の商品・サービスが、どのようにお客様の生活に役立っているかを把握しておくことが大切です。

また各部署の業務内容を知るには、現場を見たりその部署で働く人にヒアリングしたりするのが良いでしょう。応募者に自社の魅力を伝え入社意思を高めてもらうためには、社会的役割や各部署の業務内容を把握することが大切です。

人事採用担当に向いている人の特徴

向いている特徴がある人物を人事採用担当にすれば、活躍することが期待できます。ここでは、人事採用担当に向いている人の特徴について解説します。

  • 臨機応変に対応できる
  • 好奇心が旺盛である
  • 話を論理的に整理できる

人事採用担当に向いている人の特徴を把握して適材適所の配置を行いましょう。

臨機応変に対応できる

社内外の人と関わりを持つため、臨機応変に対応できる人は人事採用担当に向いています。急に経営層との打ち合わせが入ったり内定者が唐突に辞退したりするなどで、急きょ対応を迫られるケースがあります。

採用市場のトレンドの変化によって、求人媒体を変更しなければならない場合もあるでしょう。人事採用担当は、さまざまな人と関わる仕事であるため、予定通りにならないことが多いです。

予定通りに仕事を進めることが好きな人には、人事採用担当は向かないでしょう。予定外の急な仕事が入っても、自分の業務を調整し臨機応変に対応できる人には人事採用担当を任せられます。

好奇心旺盛

応募者や新しい採用手法などに興味を持つ好奇心旺盛な人は、人事採用担当に向いています。人事採用担当は、多くの応募者と向き合う仕事です。応募者の話に興味を持って聞くと、応募者も自社のビジョンや業務内容に興味を持って聞いてくれるでしょう。

また、SNSを活用したソーシャルリクルーティングのような新しい採用手法にも興味を示し、「自社でも取り入れられないか」と導入を検討する姿勢を持つ人物は、人事採用担当に向いています。

話を論理的に整理できる

応募者の適性を客観的に評価できるため、論理的思考を持つ人は、人事採用担当に向いています。例えば、応募者の履歴書には好奇心旺盛でチャレンジすることが好きという記載があるとしましょう。

部活のリーダーになった経験やさまざまなアルバイトをしたことなど、具体的にチャレンジした内容や新しいことをするのが楽しいといった挑戦することが好きな理由を質問します。

挑戦が好きだという主張の根拠となる理由や具体例を質問するには、論理的な思考が必要です。論理的思考を持つと、応募者を客観的で公平に評価でき、自社に合った人材を獲得しやすくなるでしょう。

よき人事採用担当であるためのポイント

ここでは、活躍できる人事採用担当になるためのポイントについて解説します。

  • 企業の顔であると自覚する
  • 不採用の候補者にも誠意を持って対応する
  • 課題に直面したら解決を図る

良い人事採用担当になれば、応募者が増える可能性があるため、確認しておきましょう。

企業の顔であると自覚する

応募者や求人媒体の業者などの社外の人と接する機会が多いため、企業の顔であると自覚することが、良い人事採用担当と言えます。応募者にとっては人事採用担当が、初めて企業と関わりを持つ人です。

人事採用担当の接し方によって、自社への志望度合いが変わる場合があります。応募者に寄り添い気持ちの良いコミュニケーションを行う人事採用担当の企業なら、入社意思が高まるでしょう。

また、求人媒体の業者に対しては企業の代表として対応することが大切です。急な掲載内容の変更や掲載の取りやめなどをしてしまうと、今後の取引に影響する可能性があるため、注意が必要です。

不採用の候補者にも誠意を持って対応する

不採用となった候補者は自社の商品・サービスの利用者になることがあるため、不採用者にも誠実な対応が、人事採用担当には求められます。不誠実な対応をしてしまうと、不採用にした候補者の家族や友人にも不誠実な企業との認識が広まる可能性があるため、注意しまよう。

また新卒の時に不採用になっても、中途採用で応募する場合があります。応募者から自社を選ばれることを理解して、誠実な対応をすることが重要です。

課題に直面したら解決を図る

人事採用担当者は自社に合う人材を採用することが業務であるため、課題にぶつかっても、解決を図ることが重要です。よくある課題として、募集しても応募者が集まらないことや内定辞退されることなどがあります。

自社が求める人材がその広告媒体を見ているのか、競合他社と比較して自社は応募者にとって魅力的なのかなど、応募が来ない仮説を立て行動することが、課題解決となり得ます。

また内定辞退が続く場合でも、仮説を立てて内定辞退の解決となり得る施策を実行することが大切です。課題に直面しても「必ず解決する」という胆力が、人事採用担当には必要となるでしょう。

人事採用担当にはさまざまなスキルや知識が必要

人事採用担当とは、人材採用を専門的に行う部署です。人事採用採用にはコミュニケーションスキルに長け、法令の知識などが必要です。しかし、人事採用担当を自社に設置する余裕がなく人材採用に悩んでいる企業は、多いのではないでしょうか。

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